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低圧受電と高圧受電とは?

2026.10.29
電気の用語集No.090「低圧受電と高圧受電」のサムネイル。家はそのまま、ビルはキュービクルで変圧して受電するイラスト。

低圧受電(ていあつじゅでん)は、家庭で使える電圧(100V・200V)のまま電気を受け取る方式、高圧受電は6,600Vの高い電圧で受け取り、自前の設備で変圧して使う方式です。住まいと事業所では、電気の「受け取り方」からして違うのです。

やさしい解説

電気は、電柱の変圧器で100V・200Vに下げられてから、各家庭に届きます。これが低圧受電。変圧は電力会社側の仕事なので、受け取る側に特別な設備はいりません。一般家庭と小さな店舗・事務所は、ほぼこの方式です。電柱の上の円筒(変圧器)が、ご近所一帯の「変圧担当」。住宅街の電気は、この小さな変圧器たちが支えています。

いっぽう、使う電気が大きい建物——目安として契約電力50kW以上——になると、6,600Vのまま受け取る高圧受電になります。高い電圧のままなら、大きな電力を効率よく受け取れるからです。送る側から見ても、大口の相手には高圧のまま渡すほうが合理的なのです。そのかわり、電圧を下げる作業は自前で行うことになり、そこで登場するのが「キュービクル」という受変電設備です。受け取りの電圧が変わると、設備も責任も変わる——これが2つの方式の本質です。

ちょうど、商品の仕入れに似ています。低圧は「小売店で必要な分だけ買う」、高圧は「問屋から大口でまとめて仕入れる」。大口仕入れは単価が安くなるかわりに、倉庫(設備)と管理の責任が自分持ちになる——この関係が、そのまま電気にも当てはまります。どちらが得かは規模しだい、というのも商売の仕入れと同じです。

暮らしとの関わり・注意点

一般のご家庭は低圧受電なので、キュービクルも保安管理の義務も関係ありません。ただ、単相3線式なら100Vと200Vの両方が使えるので、IHやエコキュート、エアコンの200V機器は問題なく導入できます。「高圧でないと大きな家電が使えない」わけではないのでご安心を。家庭の200Vは、低圧の枠内で使える便利な選択肢です。

この用語が現実味を持つのは、事業を営む方です。店舗の拡大、厨房の増強、工場の機械導入——契約電力が50kWに近づくと、「低圧のままか、高圧に切り替えるか」という分岐点が現れます。テナントビルへの入居なら、建物側がすでに高圧受電というケースも。その場合の電気代は、ビルの管理費側に含まれていることが多いようです。

高圧受電にすると、電気の単価は下がる一方、キュービクルの設置費用、電気主任技術者による保安管理の費用、定期点検の停電日などがセットでついてきます。目先の単価だけでなく、設備と管理まで含めた総合判断が必要です。単価の差で設備費を何年で回収できるか——収支の時間軸で考えるのがコツです。電気料金の明細と設備の見積もり、両方を並べて初めて答えが出ます。

この試算と切り替え工事こそ、電気工事店の腕の見せどころ。使用実績からの損益分岐の検討、キュービクルの設計・施工、保安体制の手配まで、まとめてお手伝いできます。事業の成長段階に合わせて、電気の受け取り方も最適化していきましょう。逆に、事業縮小で高圧から低圧へ戻す「減設」のご相談も増えています。

関連する用語

自前の変電設備は「キュービクル」の項でくわしく。家庭の100V・200Vの話は「単相3線式」、保安の資格者は「電気主任技術者」、電圧の基本は「電圧」もあわせてどうぞ。

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