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周波数とは?

2026.08.06
電気の用語集No.006「周波数(ヘルツ・Hz)」のサムネイル。50Hzと60Hzの2つの波のイラスト、「交流が入れ替わる回数」のひとこと解説。

周波数(しゅうはすう)とは、コンセントに届く交流の電気が、1秒間にプラスとマイナスを入れ替える回数のことです。単位はヘルツ(Hz)で表します。

やさしい解説

家庭のコンセントの電気(交流)は、流れる向きが常に行ったり来たりしています。その入れ替わりが1秒間に50回なら50Hz、60回なら60Hzです。あまりに速い入れ替わりなので、私たちが体感することはありませんが、電気の性質を決める大切な要素です。

よく知られているのが、日本国内で周波数が2つに分かれていること。おおよそ静岡県の富士川と新潟県の糸魚川を境に、東日本は50Hz、西日本は60Hzが使われています。これは明治時代、東京がドイツ製(50Hz)、大阪がアメリカ製(60Hz)の発電機を輸入したことに始まる、130年ごしの歴史のなごりです。

ひとつの国の中に2つの周波数が共存しているのは、世界でもめずらしいこと。東西の間で電気を送り合うには、「周波数変換所」という特別な施設で変換する必要があります。

この周波数、実は「発電機の回転の速さ」と直結しています。発電機がくるくる回るリズムが、そのまま電気の波のリズムになるのです。だから、東西で電気を融通し合うには、周波数変換所という施設でいったん変換しなければなりません。その容量には限りがあり、大きな災害で片方の電力が不足したときに大量の応援を送りにくい——というのが、日本の電力の長年の課題にもなっています。また、周波数は電気の「品質」の指標でもあり、発電と消費のバランスが崩れるとわずかに揺らぎます。電力会社はこの値を24時間監視して、50Hz・60Hzぴったりを保ち続けているのです。

暮らしとの関わり・注意点

「引っ越しで東から西へ移ったら、家電はそのまま使えるの?」——ご安心ください。現在の家電のほとんどは「50/60Hz両対応(ヘルツフリー)」で、そのまま使えます。インバーター技術の普及で、周波数の違いを気にする場面はぐっと減りました。

ただし、ごく古い家電や一部の機器(モーターやタイマーの動きが周波数に依存するもの)は、周波数が変わると正しく動かないことがあります。年代物の家電を持って東西をまたぐ引っ越しをするときは、本体の表示に「50Hz専用」「60Hz専用」とないか、一度確認しておくと安心です。

具体的に注意したいのは、リサイクルショップなどで年代物の家電を買うとき。昔の洗濯機や扇風機、タイマー式の機器には、モーターの回転数が周波数で変わるものがあり、東西をまたぐと「動きが速い・遅い」「時計が進む・遅れる」といった影響が出ることがあります。本体表示の「50Hz」「60Hz」「50/60Hz」の記載を、購入前に確認しておきましょう。

世界を見渡すと、ヨーロッパや中国などは50Hz、アメリカや韓国などは60Hzが主流で、一つの国の中に両方が本格的に混在しているのは日本くらいのもの。ちなみに「ヘルツ」という単位名は、電磁波の存在を実験で証明したドイツの物理学者ハインリヒ・ヘルツにちなんでいます。ふだん気にとめない単位にも、科学の歴史が刻まれているのですね。

関連する用語

周波数は「交流」ならではの性質で、向きの変わらない「直流」には存在しません。くわしくは「直流と交流(DC・AC)」の項をどうぞ。電気を細かく制御する「インバーター」、電気が家に届くまでの「送電と配電」も、あわせて読むと理解が深まります。

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