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感電したらどうする? 自分と家族を守る応急対応

2026.07.17

電気は、私たちの暮らしに欠かせないものですが、使い方を誤ると「感電」という事故につながります。もし、家族の誰かが感電してしまったら——そのとき、正しく動けるかどうかで、結果は大きく変わります。あわてて助けに入って、自分まで感電してしまう、という二次被害も少なくありません。今回は、感電が起きたときの正しい応急対応を、順を追ってご紹介します。いざというときに落ち着いて動けるよう、ぜひ知っておいてください。

まず「電気を止める」— 素手で触らない

感電している人を見つけたとき、いちばんやってはいけないのが、あわてて素手で助けようとすることです。感電している人の体には、電気が流れ続けています。その状態で触れると、電気が助けようとした人にも伝わり、いっしょに感電してしまうのです。まず何よりも先に、「電気を止める」ことを最優先にしてください。

手順はこうです。まず①、分電盤のブレーカーを落とすか、原因となっている機器のプラグを抜いて、電気そのものを断ちます。これができれば、いちばん安全です。もし、すぐに電源を切れない状況なら②、乾いた木の棒やプラスチックの椅子など、電気を通さないもので、感電している人を電源から引き離します。このとき、金属製のものや、濡れたものは絶対に使わないでください。かえって危険です。

感電を見つけたらまず電源を切り、切れないときは乾いた木やプラスチックで引き離し、素手や金属・濡れた物では絶対に触らないという救助の手順を示した図。
図1:まず電源を断つ。素手で触れるのは、二次被害のもとです。

「一刻も早く助けたい」という気持ちはわかります。でも、助ける人が倒れてしまっては、救助そのものができなくなります。まず自分の安全を確保することが、結果として、感電した人を救ういちばんの近道です。「電気を止める、素手で触らない」——この2つを、どうか忘れないでください。

感電は、なぜこわい?

そもそも、感電はなぜ危険なのでしょうか。ポイントは「電流」です。体に流れる電流が大きいほど、また、流れる時間が長いほど、危険度は高まります。とくに、電流が心臓を通ると、たとえ小さな量でも、心臓の動きが乱れ、命に関わることがあります。「ちょっとビリッとしただけ」と思っても、油断はできないのです。

そして、感電の危険度を大きく左右するのが「水分」です。水は電気を通しやすいため、手や体が濡れていると、同じ電圧でも、体に流れる電流がぐっと大きくなります。つまり、濡れた手で電気製品にさわるのは、とても危険な行為。お風呂、洗面所、キッチンといった水回りでの感電が重大になりやすいのは、このためです。水と電気の組み合わせには、いつも以上に気をつけてください。

感電がこわい理由として、濡れた手や体は水が電気を通しやすく危険、水回りは感電が重大になりやすい、小さな電流でも心臓を通ると命に関わることがある、の3点を示した図。
図2:濡れていると危険度が急上昇。水回りではとくに注意を。

ちなみに、家庭で感電が起こりやすいのは、こんな場面です。濡れた手でコンセントやプラグにさわったとき。被覆が破れた古いコードや、たこ足配線の傷んだ部分にふれたとき。洗濯機やエアコンなど、アースをつないでいない水回りの家電が漏電していたとき。そして、知識のないまま、自分で配線をいじろうとしたとき。いずれも、ちょっとした不注意や思い込みが引き金になります。「自分は大丈夫」と思わないことが、何よりの予防になります。

安全を確保したら、応急手当を

電源を断ち、感電した人を安全な場所に移せたら、次は応急手当です。まず①、すぐに119番へ通報します。大声で周りの人に助けを求め、救急車を呼びましょう。次に②、感電した人の意識と呼吸を確認します。声をかけて反応があるか、胸やおなかが呼吸で動いているかを見てください。

もし③、呼吸がない、または普段どおりでない場合は、ただちに胸骨圧迫(心肺蘇生)を始めます。胸の中央を、強く、速く、絶え間なく押し続けてください。近くにAED(自動体外式除細動器)があれば、ためらわずに使いましょう。音声ガイドに従えば、だれでも使えます。④やけどを負っている場合は、その部分を水で冷やします。これらの手当は、救急隊が到着するまで続けることが大切です。

そして、とても大切なのが⑤。たとえ本人が「もう大丈夫」と言っても、必ず医療機関で診てもらうことです。感電は、その場では元気そうに見えても、あとから心臓の異常(不整脈)が出たり、体の内部に見えないダメージが残っていたりすることがあります。自己判断で「平気」と決めつけず、必ず医師の診察を受けてください。

安全確保後の応急手当として、119番通報、意識と呼吸の確認、呼吸がなければ胸骨圧迫とAED、やけどは水で冷やす、見た目が平気でも必ず受診する、の5つの流れを示した図。
図3:応急手当の流れ。感電後は、見た目が平気でも必ず受診を。

感電を防ぐ、日ごろの心がけ

もちろん、いちばんは、感電そのものを起こさないことです。日ごろから、いくつかの点に気をつけましょう。まず、濡れた手で電気製品やコンセントにさわらないこと。これは基本中の基本です。また、傷んだコードや、被覆が破れたコードは使わないこと。中の電線がむき出しになっていると、感電の原因になります。

設備面では、「漏電ブレーカー」と「アース(接地)」が、感電を防ぐ大切な役割を果たします。漏電ブレーカーは、電気が漏れたときにすばやく電気を止めてくれる装置。アースは、万が一漏れた電気を、安全に地面へ逃がしてくれる仕組みです。とくに、洗濯機や電子レンジなど、水回りで使う家電は、アース線をきちんと接続しておきましょう。これらが正しく働いていれば、感電のリスクは大きく下がります。

小さなお子さんがいるご家庭では、コンセントのいたずらにも注意が必要です。ヘアピンや金属のおもちゃを差込口に入れて感電する事故が、実際に起きています。使っていない差込口には安全カバーをつけ、手の届く場所のコンセントには気を配りましょう。また、屋外で高所の作業をするときは、電線への接触にも注意。庭木の手入れやアンテナ作業の際に、うっかり電線にふれる事故もあります。屋外・高所の電気作業は、無理をせず専門家に任せるのが安全です。

もし、「アースがつながっているか不安」「漏電ブレーカーがきちんと働くか心配」という場合は、電気工事の専門店に点検を頼むと安心です。私たちのようなプロなら、漏電の調査や、アースの設置、古くなった配線の交換などをまとめて行い、感電の危険を根本から減らすことができます。目に見えない電気の安全は、専門家の目でしっかり確かめておくのがおすすめです。

まとめ

感電した人を見つけたら、まず「電気を止める」、そして「素手で触らない」。安全を確保したら、119番へ通報し、意識と呼吸を確認して、必要なら胸骨圧迫を。そして、見た目が平気でも必ず受診することが大切です。日ごろは、濡れた手でさわらない、傷んだコードを使わない、アースや漏電ブレーカーを備える、といった心がけで、感電は大きく防げます。

※この記事は一般的な応急対応の知識をまとめたものです。実際の緊急時は、状況に応じて119番の指示に従い、専門の医療機関の判断を優先してください。

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