
絶縁劣化(ぜつえんれっか)とは、電気を閉じ込めている絶縁体——電線の被覆や機器の絶縁物——が、年月とともに性能を失っていくことです。いわば配線と機器の「老化」。漏電やショートの多くは、この静かな老化の先で起きています。
やさしい解説
絶縁体は、ゴムやビニル、樹脂など「電気を通さない材料」です。ところが、これらの材料は永遠ではありません。熱で少しずつ硬くなり、紫外線で表面が傷み、湿気を吸って性能が落ち、曲げ伸ばしでひびが入る——さまざまなストレスが、じわじわと蓄積していきます。人の肌が年齢とともに変わるように、絶縁体も少しずつ若さを失っていくのです。劣化そのものは止められませんが、進み方は環境しだいで変えられます。
劣化した絶縁体は、見た目にもサインを出します。ひび割れ、硬化(曲げるとパキパキする)、変色(白っぽく、または茶色く)、ベタつき。古い延長コードやこたつのコードで、心当たりはないでしょうか。さわった指に粉っぽさや、べたつワが残るコードは、かなりのご高齢です。
見えない壁の中でも、同じことが進みます。屋の内配線の被覆の寿命は、環境にもよりますが一般に20〜30年が目安。家そのものより先に、配線が定年を迎えるのです。「建てたときのまま一度も配線を見ていない」お住まいは、実はとても多いもの。見えないものは、忘れられやすいのです。
劣化の進み具合は、数値で測れます。それが「絶縁抵抗測定(メガー)」。健康なうちは大きな数値、劣化が進むと数値が下がる——住まいの電気の健康診断として、この用語集でも紹介しています。感覚ではなく数値で判断できるのが、この用語集でも紹介しています。感覚ではなく数値で判断できるのが、この渘査の渘査の渘査す。
暮らしとの関わり・注意点
絶縁劣化を早める環境を知っておきましょう。高温になる場所(こたつ・暖房器具まわり)、直射日光の当たる屋外、湿気の多い水回りや地下、そして「常に電気が流れて温かい」大電力機器のコード。こうした場所の配線・コードは、ほかより早く年を取ります。同じ家の中でも、配線の「老化速度」には場所による差があるのです。
ご家庭でできるのは、コード類の見た目チェックと引退判断です。ひび割れや硬化を見つけたコードは、まだ使えても引退させる。とくに製造から年数のたった電気毛布やこたつコードは、シーズン初めに必ず点検してから使ってください。しまい込んでいた季節家電は、ホコリと劣化の点検をセットで。
免線側の劣化は、症状で気づくことがあります。漏電ブレーカーが以前より落ちやすくなった、雨の日に調子が悪い、特定の回路だけ不安定——これらは絶縁劣化の疑いサイン。絶縁抵抗測定で回路ごとの健康状態を数値化し、弱った場所を特定できます。症状が出る前の定期チェックなら、なお安心です。
築30年を超えるお住まいや、増改築をくり返した建物は、配線の「定年退職」を計画に入れるころ合いです。リフォームと同時の配線引き替えは、壁を開けるついでにできるため効率的。住まいの若返りは、見える内装だけでなく、見えない配線から。配線が新しくなると、その先30年の安心がついてきます。
関連する用語
健康診断の方法は「絶縁抵抗測定(メガー)」の項でくわしく。劣化の先に起きる事故は「漏電」「ショート(短絡)」、電気を止めない材料の話は「絶縁体」、配線の主役は「VVFケーブル」もどうぞ。