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自家用電気工作物のサイバーセキュリティ|新時代の保安義務

2026.10.14
電気の法規・法令No.087「サイバーセキュリティ」のサムネイル。盾と鍵のイラスト。

電気設備がインターネットにつながり、遠くから監視・制御できる時代。便利になった一方で、新しい脅威が生まれました。設備を狙うサイバー攻撃です。これを防ぐことが、いまや電気の保安の一部として求められています。物理的な安全に、情報の安全が加わった、新時代の保安義務です。

やさしい解説

従来、自家用電気工作物の保安といえば、感電や火災、故障を防ぐ「物理的な安全」が中心でした。ところが、スマート保安(第94回で扱います)のように、設備を遠隔で監視・制御する仕組みが広がると、その通信経路が、悪意ある者に狙われる入口にもなりえます。もし攻撃で設備が勝手に操作されたり、止められたりすれば、停電や事故につながりかねません。電気の安定を守るには、こうしたサイバー面の備えが欠かせなくなったのです。

そこで、自家用電気工作物の保安のルールにも、サイバーセキュリティへの配慮が織り込まれるようになってきました。基本の考え方は、これまで学んだ物理的な安全と同じ「多層で守る」こと。外部からの不正な接続を防ぐ、正当な相手だけがつなげるようにする、重要な設備は外のネットワークから切り分ける、そして万一に備えて記録を残し、異常に早く気づく——こうした対策を重ねます。用語集の第3シリーズでも学んだ考え方が、法規の世界でも求められる時代になったのです。

つながる保安の便利さと、不正アクセスへの備えの必要性を示した図解。

暮らし・現場との関わり

この話は、大きな設備だけのものではありません。家庭でも、ネットにつながる家電や、太陽光・蓄電池の遠隔監視の仕組みが増えています。機器のパスワードを初期設定のままにしない、ソフトウェアを最新に保つ、あやしい通信を許さない——こうした基本の心がけが、家庭のセキュリティを守ります。便利につながる時代は、同時に、守りにも少し気を配る時代なのです。

事業所で設備の遠隔監視やスマート化を進める場合は、その利便性とあわせて、セキュリティ対策もセットで考えることが大切です。「つなげば便利」の一歩先、「安全につなぐ」までを設計する視点が求められます。専門的な分野だけに、詳しい事業者や専門家と相談しながら進めるのが安心です。私たち電気工事店も、こうした新しい時代の設備づくりに、学びながら取り組んでまいります。

まとめ

設備がつながる時代、電気の保安にはサイバーセキュリティが加わりました。物理と情報、両面の「多層の守り」が、電気の安定を支えます。次回は、水俣条約による水銀灯・蛍光灯の製造終了です。

※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。

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