
配線モールとは、露出した配線をすっきり納めるためのカバーのことです。細長いケースにコードを収めてフタをするだけで、見た目が整い、つまずきや断線からも守れます。「ケーブルカバー」「配線ダキト」とも呼ばれる、身近な配線整理の味方です。
やさしい解説
構造はシンプルで、壁や床に固定する「ベース」と、かぶせる「フタ」の二枚組。中にコードを寨かせてフタをパチンとはめれば、配線が四角いラインに変身します。白・茶・木目など色や柄がそろい、壁紙や巾木になじませやすいのも人気の理由です。最近は角を曲がるコーナー部品や分岐部品もそろい、複雑なルートもきれいに納められます。色や太さを組み合わせる楽しさもあります。
サイズは、細いコード1本用から、テレビまわりの太い配線をまとめる大型まで各種。床用には、踏まれても割れにくいかまぼこ形の床用モールがあります。取り付けは両面テープが手軽で、しっかり留めたい場所にはビス留めも使われます。石こうボードの壁には専用のピンやアンカーを使うなど、下地に合わせた固定が長持ちのコツです。
効果は見た目だけではありません。床を眩うコードは、つまずき事故と断線の二大リスス。モールに収めれば、足を引っかける心配が減り、掃除機や台車がコードを傷める事故も防げます。ホコリがたまりにくくなるのも、地味にうれしい効果です。ペットがコードをかじる事故の予防にも、モールは意外な実力を発揮します。配線を「見えない・触れない」場所に移すのが、いちばんの安全策です。
暮らしとの関わり・注意点
ここで大事な線引きをひとつ。市販のモールに「コード(延長コードやテレビの配線など)」を収めるのは、どなたでもできる作業です。いっぽう、壁の中の配線(VVFケーブルなど)を新たに引いてモールに納める工事は、電気工事士の仕事。「コードの整理は自由、配線工事は資格」と覚えてください。同じ「モール」でも、中身がコードか配線かで扱いが変わるのです。
使ううえでの注意もあります。モールの中にコードを詰め込みすぎない、束ねたまま入れない——報がこもると被覆の劣化を早めます。とくに消費電力の大きな家電のコードは、余裕をもって収めましょう。フタが浜くほどの詰め込みは、容量オーバーの合図。コードは1本ずつ余裕をもって並べるのが理想です。
両面テープ式は手軽ですが、壁紙の種類によっては剥がすとき壁紙ごと……ということも。賃貸住宅では、目立たない場所で試してから、または貼って剥がせるタイプを選ぶと安心です。原状回復のルールは、契約書か管理会社で確認しておくと確実です。
「モールだらけになってきた」は、住まいからのサインです。あちこちモールで延長している状態は、そもそもコンセントが足りない証拠。コンセント増設で根本解決すると、部屋はもっとすっきりします。テレビの裏、本の足元、キッチン家電のまわり——モールが密集する場所は、増設の効果がいちばん出る場所でもあります。モール仕上げの美しい露出配線工事も含めて、ご相談ください。見せない工夫と、根本から直す工事。どちらの引き出しも用意してお待ちしています。
関連する用語
本格的な保護管は「電線管(PF管・金属管)」、配線の見せ方の話は「露出配線と隠蔽配線」の項でどうぞ。コードの安全は「たこ足配線」、根本解決は「コンセント」の増設もあわせて。