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雷サージとSPD(避雷器)とは?

2026.10.19
電気の用語集No.080「雷サージとSPD」のサムネイル。雷の高電圧を盾がブロックするイラスト。

雷サージとは、雷によって電線や通信線に発生する、瞬間的な高い電圧のことです。これが配線を伝って家に入り込むと、家電の故障や火災の原因に。侵入を防ぐ装置がSPD(避雷器)です。雷対策は「建物」だけでなく「配線から入る電気」にも必要なのです。

やさしい解説

雷サージの怖さは、直撃でなくても起きることです。近くの電柱や地面に雷が落ちると、その強烈な電気の影響が周囲の電線・電話線・アンテナ線に飛び移り、波のように家へ押し寄せます。家から離れた落雷でも、配線がつながっていれば被害は届くのです。「近所に落ちただけなのに家電が壊れた」という不思議は、こうして起きます。雷は直撃だけが敵ではありません。

押し寄せる電圧は、瞬間的に数千〜数万ボルトにもなります。100ボルト前提で作られた家電の電子回路には、ひとたまりもありません。テレビ、ルーター、パソコン、エコキュートや給湯器の基板——「雷の後から調子が悪い」の多くは、このサージの仕業です。本体は無事でも、内部の基板だけが静かに壊れていることもあります。

そこで登場するのがSPD(サージ防護デバイス、避雷器)です。ふだんは静かにしていて、高い電圧が来た瞬間だけ電気を地面へ逃がす——いわば「電気の防波堤」。分電盤に取り付けるタイプなら、家中のコンセントをまとめて守れます。門番を玄関に一人置くイメージで、効率のよい守り方です。

手軽な対策としては、「雷ガード付き」の電源タップもあります。ただし守備範囲はそのタップにつないだ機器だけ。また、通信線から入るサージには電源タップは無力なので、テレビやネット機器は通信線側の対策も考える必要があります。サージの入口は、電源・アンテナ・電話・ネット回線と複数あるのです。

暮らしとの関わり・注意点

いちばん確実な昔ながらの対策は、「雷が近いときはプラグとアンテナ線・電話線を抜く」こと。物理的につながっていなければ、サージは入れません。ただし、外出中や就寝中の雷には対応できないのが弱点です。ゴロゴロと聞こえてから抜いて回るのは、それなりに慌ただしいもの。常設のSPDなら、抜き忘れの心配とも無縁です。

そこで、常時守ってくれる分電盤用SPDの出番です。取り付けは電気工事士の仕事で、分電盤の交換や点検と同時に施工するのが効率的。太陽光発電やエコキュート、高価な家電の多いお宅、雷の多い地域では、費用対効果の高い備えです。機器のほうが高価になった現代、防波堤の値段は相対的に安くなりました。

在宅ワークのご家庭では、パソコンとルーターまわりの保護を優先的に。雷ガードタップに加え、大切なデータのバックアップも「電気的な防災」の一部と考えてください。仕事のデータは、雷にとっても「壊しがいのある標的」です。

なお、雷で家電が壊れた場合、火災保険の補償対象になることがあります。被害に遭ったら、修理・買い替えの前に契約内容の確認を。SPDの設置相談とあわせて、雷に強い住まいづくりをお手伝いします。太陽光発電や蓄電池を備えたお宅では、パワーコンディショナの保護もあわせて考えましょう。

関連する用語

一瞬の停電の話は「瞬停」の項でどうぞ。電気の逃げ道の考え方は「アース(接地)」、取り付け場所は「分電盤」、タップ選びは「たこ足配線」の項とあわせてどうぞ。

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