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電圧降下の制限とは|長い配線に潜む落とし穴

2026.08.24
電気の法規・法令No.036「電圧降下の制限」のサムネイル。長い配線で電圧が下がるイラスト。

電気は配線を通るあいだに、少しずつ「勢い」を失います。これが電圧降下。配線が長いほど、流す電流が大きいほど、目減りは増えます。内線規程はこの目減りに上限を設けています——見えないけれど確かに効いてくる、縁の下のルールです。「電気がちゃんと届く」を支える裏方の決まりです。

やさしい解説

電線にはわずかな抵抗があり、電流が流れると距離に応じて電圧が下がります。分電盤を出るときは100Vでも、長い配線の先では98V、97V……という具合です。内線規程が求める目安は、標準的な配線でおおむね2%以内。100Vなら2V以内に収めなさい、ということです。数字は小さく見えますが、この線引きが機器の調子を左右します。基準があるからこそ、日本中の建物で電気は安定して届くのです。

電圧が下がりすぎるとどうなるか。照明はわずかに暗くなり、モーターを使う機器は力不足や発熱ぎみになり、精密な機器は誤動作のおそれが出てきます。そして下がったぶんのエネルギーは、配線の熱として消えています——つまり電気代のむだでもあるのです。対策は明快で、太い電線を選ぶ(第32回)、回路を分ける(第33回)、距離をなるべく短く計画する。設計段階の計算で、あらかじめ防ぐのが基本です。暗くなった照明は、配線からの小さな連絡かもしれません。

分電盤の100Vが機器の手もとで目減りする電圧降下の図解。

暮らし・現場との関わり

電圧降下が主役になりやすいのは、「距離のある電気」です。庭の離れや車庫への配線、屋外の倉庫、そして自宅のEV充電。数十メートル級の配線では、太さをひとつ上げるだけで安定感が変わります。「離れの照明がちらつく」「充電がやけに遅い」——そんな症状の裏に、電圧降下が隠れていることがあります。症状が出てからでも、配線の見直しで改善できます。

施工の見積りで「この距離なら1サイズ太い電線にします」という説明が出てきたら、それはこのルールに沿った提案です。材料代はわずかに上がりますが、機器の寿命と効率で十分に元が取れます。長い目で見れば、太い電線ほど「安い買い物」になることも多いのです。距離のある工事こそ、計算のできる工事店にお任せください。

まとめ

電圧降下の目安は2%以内。太く・短く・分けるが対策の三本柱です。次回は、電線の「服装」の話——ケーブル・金属管・合成樹脂管という配線方法の使い分けです。

※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。

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