
グループFの最終回は、いちばん新しい「場所別ルール」——EV充電回路です。電気自動車の充電は、深夜に長時間・屋外で・大きな電力を流し続けるという、住宅ではかつてなかったタイプの電気の使い方。だからこそ、施設の作法がしっかり定められています。これから車を選ぶ方にも、ぜひ知ってほしい回です。
やさしい解説
基本は3点セットです。第一に専用回路(第34回)。充電は分電盤から1本を専有し、他の機器と相乗りさせません。家庭では200Vの充電用コンセントか、壁掛けの充電設備を使うのが主流です。第二に漏電保護。屋外で、雨の日も、何時間も通電し続ける回路ですから、漏電遮断器による見張り(第44回)は絶対条件です。
第三に、屋外の作法(第53回)。防雨型の機器を選び、ケーブルの取り回しは車にひかれたり足に引っかけたりしない高さと経路に。充電コネクタの定位置を決めて、垂れ下がったケーブルが地面をはわない納まりにします。EVの普及とともに内線規程でもこの分野の記述は充実してきており、これまでの回で見てきた原則——専用・保護・防水——の集大成のような工事といえます。シリーズの学びが、駐車場の一角に結実するのです。

暮らし・現場との関わり
これからEV・PHVを迎える方は、納車前の電源工事をおすすめします。よくある失敗が「とりあえず100Vで」——充電に時間がかかりすぎ、結局200Vの工事をやり直すパターンです。車選びと同じ熱量で、電源選びもぜひ。また、屋内用の延長コードでの充電は、発熱と防水の両面で危険。充電は必ず、専用に設計された回路と機器で。毎晩の充電は、毎晩の安全確認でもあります。
設置の際は、駐車位置と充電口の向き、ケーブルの長さ、夜間の照明、将来の2台目まで考えて位置を決めると後悔がありません。太陽光発電やV2H(車から家へ給電)との連携も広がっています。カーライフの電気設計、まるごとご相談ください。補助金の情報も、時期に応じてご案内できます。
まとめ
EV充電は、専用回路・漏電保護・屋外の作法の3点セット。シリーズで学んだ原則の集大成です。グループF「場所別のルール」はこれで完結。どの場所にも、その場所の作法がありました。次回からはグループG——消防法や建築基準法など、住まいと建物の安全法規へ進みます。
※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。