
リチウムイオン電池とは、軽くて大容量、くり返し充電できる電池のことです。スマホ、ノートパソコン、コードレス掃除機、電気自動車、家庭用蓄電池——現代の「持ち歩ける電気」「ためられる電気」は、ほぼこの電池が支えています。
やさしい解説
電池の中では、リチウムのイオン(電気を帯びた小さな粒)が、プラス極とマイナス極のあいだを行き来しています。充電すると片側へ移動し、使うときは反対側へ戻る——この往復運動が、充電と放電の正体です。粒が行き来するだけで材料が大きく傷まないため、何百回もくり返し使えます。イオンの行き来のなめらかさが持ち味で、使いかけからの継ぎ足し充電にも強く、日々スマホを充電する使い方に向いています。
強みは、小さく軽いのに多くの電気をためられること。従来の充電池より軽量・大容量で、しかも継ぎ足し充電に強い。スマホが薄くなり、掃除機のコードが消え、電気自動車が現実になったのは、この電池の進化のおかげです。日本の研究者がノーベル化学賞を受けた技術としても知られています。日本のものづくりが世界の暮らしを変えた、誇らしい発明のひとつと言えるでしょう。
家庭でも、太陽光発電と組み合わせる蓄電池として存在感を増しています。昼にためて夜に使う、停電時の備えにする——「電気をためる暮らし」の主役も、やはりリチウムイオン電池です。電気自動車を「走る蓄電池」として家につなぐ考え方も、現実のものになってきました。
暮らしとの関わり・注意点
高性能の裏返しとして、この電池は「乱暴に扱うと危ない」性質を持っています。強い衝撃、高温、水濡れ、過充電は、発熱・発火の引き金になりえます。夏の車内にスマホやモバイルバッテリーを置き忘れない、落として強くぶつけたものは様子を見る——基本の扱いを守ってください。充電中の異常な熱さやこげたにおいも、見逃したくない危険サインです。
「膨らみ」は、わかりやすい危険サインです。スマホの画面が浮いてきた、バッテリーがパンパンに張っている——そんなときは使用と充電をやめ、販売店や回収窓口へ。針でつつくなどの自己処理は絶対にいけません。膨らみは内部でガスが発生している状態で、放置も分解も危険。回収窓口に状態を伝えて指示を仰ぎましょう。
捨て方も大切です。リチウムイオン電池をふつうのごみに混ぜると、収集車や処理施設での火災の原因になります。実際に全国で火災が相次いでいます。小さなワイヤレスイヤホンや電子たばこ、おもちゃにも、この電池は入っています。「捨てる前にひと呼吸」を合言葉に。自治体の回収ルールに従うか、家電量販店などの回収協力店へ。モバイルバッテリーを買うときは、安全基準の証のPSEマークを確認しましょう。
寝ながらの枕元充電は、布団で熱がこもらない場所で。純正や信頼できる充電器を使うことも、電池を長持ちさせるコツです。蓄電池の設置や電気自動車の充電コンセント工事は、電気工事店の仕事。将来を見すえた電源計画も、お気軽にご相談ください。蓄電池や充電設備など、電気をためて賢く使う時代の入口は、ご家庭の電源計画から始まります。
関連する用語
家にすえ付ける大型版は「蓄電池」、相棒の「太陽光発電」、車の話は「EV充電コンセント」の項でどうぞ。電気の流れ方の基本は「交流と直流」もあわせて読むと理解が深まります。