
雷の季節、家電を守る切り札がSPD(避雷器)です。雷サージ——電線をつたって侵入する瞬間的な異常電圧——を、機器の手前で大地へ受け流す装置。内線規程は住宅へのSPD設置をすすめており、最新の第14版でその位置づけは一段と強まりました。今回は、この「雷の門番」の話です。雷の多い土地柄の日本では、頼りになる存在です。
やさしい解説
雷の被害は、直撃だけではありません。数キロ先への落雷でも、電線や通信線に誘導された雷サージが屋内へ押し寄せ、パソコンや給湯器の基板、通信機器を一瞬で壊すことがあります。用語集の雷サージの回でもご紹介した、いわば「電気の津波」です。「近くに落ちていないのに壊れた」の犯人は、たいていこのサージ。電話線やアンテナ線から入る経路もあります。
SPDは分電盤に取り付けられ、ふだんは何もしません。雷サージが来た瞬間だけ電気の逃げ道を開き、アース(第41回〜43回で見た接地)へ受け流します。つまりSPDの実力は、接地の品質とセット。ここでもグループEの主役たちが連係します。太陽光発電やエコキュート、EV充電器など、屋外に電子機器を持つ住まいが増えたことも、SPDが重視されるようになった背景です。門番の背後に確かな逃がし道——この組み合わせが決め手です。

暮らし・現場との関わり
「雷が近いときはコンセントを抜く」は今も有効な自衛策ですが、外出中の雷雨には無力です。留守中も24時間働くSPDは、在宅ワークの機器や録画データ、スマート家電を抱える現代の住まいにこそ効きます。テーブルタップ型の雷ガードも補助にはなりますが、家全体を入口で守る分電盤型が本命です。被害は「壊れた機器の値段」だけでなく、失うデータや時間も含むのですから。
取り付けは分電盤の工事になるため、有資格者の出番です。分電盤の交換や太陽光・蓄電池の設置と同時に組み込むと効率的。「うちの地域は雷が多い」「守りたい機器が増えた」——そう感じたら、見積りにSPDの一行を加えてみてください。雷対策は、被害に遭う前だけが打てる先手です。
まとめ
SPDは、雷サージを入口で受け流す門番。接地とセットで実力を発揮します。次回は建物そのものの雷対策——高さ20mを超えると義務になる避雷設備と、その規格のお話です。
※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。