
マルチメディアコンセントとは、電源に加えて、テレビ端子・LAN端子・電話端子などを1枚のプレートにまとめた「情報コンセント」のことです。テレビまわりやデスクまわりの配線を、すっきり1か所に集約してくれます。
やさしい解説
中身を見てみましょう。電気を取る「電源コンセント」、アンテナからの放送を受ける「テレビ端子(同軸)」、有線インターネットの「LAN端子」、そして「電話端子」。住まいの情報系の口が、勢ぞろいしています。テレビ端子には、地デジとBS・CSをまとめて受けられるタイプもあり、裏側の機器構成はご家庭ごとにさまざまです。
これらの配線は、家の中の「情報分電盤(弱電盤)」という箱に集められています。電気の分電盤が電力の司令塔なら、情報分電盤はテレビ・ネット・電話の司令塔。ここから各部屋のマルチメディアコンセントへ、それぞれの線が延びているのです。
「いまはWi-Fiの時代だから、LAN端子なんて要らないのでは?」と思うかもしれません。ところが実際は逆で、テレワークやオンライン会議、動画配信、オンラインゲームの普及で、安定して速い「有線LAN」の価値が見直されています。無線は手軽、有線は確実。両方を使い分けるのが今どきの正解です。LANケーブルには「カテゴリ」という規格があり、数字が大きいほど高速な通信に対応します。壁の中に通す配線こそ、将来を見据えて余裕のある規格を選んでおきたいところです。
暮らしとの関わり・注意点
マルチメディアコンセントが真価を発揮するのは、設置場所の計画です。テレビを置く壁、デスクを置く位置、Wi-Fiルーターの定位置——「機器が集まる場所」にこの1枚があると、タコ足の延長コードやドア下を這うLANケーブルが消え、部屋が見違えるほどすっきりします。
テレワーク部屋には、電源+LANのセットを。オンライン会議の途中で映像が固まる悩みは、有線接続にするだけで解決することが多いものです。壁の中を通した配線なら、つまずく心配も、掃除機に引っかける心配もありません。
後付けの増設も可能です。壁の中や天井裏に配線を通す工事になるため、電気工事士のいる工事店の仕事ですが、「リビングのテレビ端子を反対側の壁にも」「2階にLANの口がほしい」といったご相談は定番です。住宅の構造によって工事のしやすさが変わるので、現地調査から始めるのが確実です。情報分電盤は、クローゼットの枕棚の上など目立たない場所にあることが多く、Wi-Fiルーターの置き場所と電波の届き方も、配線計画とセットで考えると失敗しません。
新築やリフォームの際は、10年後の暮らしまで想像して、少し多めに情報の口を用意しておくのがおすすめです。コンセント計画と同じで、「あとから足す」より「最初に仕込む」ほうが、費用も仕上がりもきれいです。配線の見えない家は掃除がしやすく、模様替えの自由度も上がります。情報の通り道も、電気と同じくプロの設計が活きる領域です。家づくりの打ち合わせでは、コンセント図を眺める時間を少し多めに取ってみてください。
関連する用語
電源側の基本は「コンセント」の項をどうぞ。家じゅうの機器がネットにつながる時代の話は「スマートホーム」、来客対応の設備は「インターホン(ドアホン)」——住まいの情報化つながりで、あわせて読みたい用語です。