
抵抗(ていこう)とは、電気の「流れにくさ」のことです。単位はオーム(Ω)。数字が大きいほど電気は流れにくく、小さいほどスムーズに流れます。
やさしい解説
水にたとえるなら、抵抗は「管の細さ」です。太い管なら水はどんどん流れますが、細い管では流れがしぼられますよね。同じ電圧でも、抵抗が大きいほど流れる電流は小さくなる——この関係をまとめたのが、理科で習う「オームの法則(電圧=電流×抵抗)」です。
物質によって、抵抗の大きさはまるで違います。銅やアルミなどの金属は抵抗が小さく、電気をよく通す「導体」。ゴムやプラスチックは抵抗がきわめて大きく、電気をほぼ通さない「絶縁体」です。電線の中身に銅が使われるのは、抵抗が小さくてムダが少ないからなのです。
そして抵抗のいちばん面白い性質が、「電気が抵抗を通ると熱が生まれる」こと。ドライヤーや電気ストーブ、トースターは、あえて抵抗の大きい電熱線に電気を流し、その発熱を利用した家電です。
オームの法則で、かんたんな計算もできます。たとえば100Vのコンセントに、抵抗50Ωの機器をつなぐと、流れる電流は100÷50=2A。白熱電球が光るのも、フィラメントという抵抗の大きな金属線が、電気で熱せられて輝く現象です。抵抗は、電気を「熱や光」に変える立役者でもあるのです。
やっかいなのは、意図しない場所で抵抗が増えるケースです。プラグの差し込みがゆるんだり、接点が汚れたりすると、そこだけ電気が流れにくくなり、通るたびに熱が生まれます。これを「接触抵抗の増加」といい、コンセントまわりの発熱・焦げつきの代表的な原因になっています。
暮らしとの関わり・注意点
この「抵抗=発熱」の性質は、便利さと危険の両方につながります。たとえば、コードの内部が傷んで細くなったり、プラグの差し込みがゆるんで接触が悪くなったりすると、その部分だけ抵抗が増えて、異常な発熱を起こすことがあります。コンセントやコードが熱い・焦げくさいと感じたら、使用をやめて点検を。
また、コードを束ねたまま使うと熱がこもりやすく、傷んだ延長コードは発火の原因にもなります。「電気が流れるところには、多かれ少なかれ熱が生まれる」と知っておくだけで、電気の安全への意識がぐっと変わります。
ちなみに、特別な物質を極低温まで冷やすと、抵抗がゼロになる「超伝導」という現象が起きます。電気をまったくロスなく流せる夢の状態で、リニア中央新幹線や病院のMRIは、この超伝導を実際に活用した技術です。「流れにくさ」の研究が、未来の乗り物まで生み出していると思うと、面白いですね。
見渡してみると、「抵抗の発熱」を利用した道具は家じゅうにあります。トースター、こたつ、ホットカーペット、電気毛布、炊飯器のヒーター——どれも電熱線の仲間です。そして、昔ながらの「ヒューズ」も抵抗の応用のひとつ。大きすぎる電流が流れると、自らの発熱で溶けて切れ、回路を守ってくれます。「じゃまもの」に見える抵抗が、実は暮らしを支える働き者だとわかりますね。
関連する用語
「電圧(V)」「電流(A)」と合わせた3つの関係が、電気の基本中の基本です。電気を通す・通さないを表す「導体と絶縁体」、コード内部の故障である「断線と接触不良」、配線の老化を意味する「絶縁劣化」も、抵抗と関わりの深い用語です。