
水銀による健康や環境への被害を防ぐための国際的な約束が、水俣条約です。この条約にもとづき、水銀を使う照明——水銀灯や蛍光灯——が、順に姿を消していきます。とくに一般照明用の蛍光灯は2027年末で製造・輸出入が終了。暮らしに身近な、大きな変化です。
やさしい解説
水俣条約は、かつて日本が経験した水俣病の教訓から名づけられた、水銀の使用や輸出入を国際的に減らしていく条約です。蛍光灯や水銀灯は、光るために微量の水銀を使っています。そのため、これらの製造や輸出入を、段階的にやめていくことが国際的に決まりました。高圧水銀ランプ(水銀灯)は、すでに2021年に製造が終了しています。そして、直管や環形などの一般照明用の蛍光ランプは、2027年末で製造・輸出入が終了します。
ここで大切なのは、「2027年末で、いま使っている蛍光灯が急に使えなくなるわけではない」という点です。終了するのは、あくまで製造と輸出入。手元にある蛍光灯や、在庫の製品は、それ以降も使えますし、交換もできます。ただ、時間がたつほど新しい蛍光灯は手に入りにくくなり、価格も上がっていくと見込まれます。だからこそ、寿命が来た照明から、あるいは計画的に、LED照明へ切り替えていくのが賢明です。省エネにもなり、交換の手間も減ります。

暮らし・現場との関わり
ご家庭では、蛍光灯を使っている照明を、少しずつLEDに替えていくのがおすすめです。LEDは消費電力が小さく寿命も長いため、電気代と交換の手間の両方を減らせます。器具ごとLEDに交換する方法と、器具はそのままでLEDランプに替える方法がありますが、安全のためには器具ごとの交換や、専門家による工事が確実な場合もあります。第1シリーズで学んだLEDの知識も、選ぶときの助けになります。
とくに、事務所や工場、店舗など、たくさんの蛍光灯を使っている場合は、計画的なLED化が重要です。「切れてから慌てて探す」のではなく、更新のタイミングを見計らってまとめて切り替えれば、省エネ効果も大きく、作業も効率的です。私たち電気工事店は、こうした照明のLED化を、設備の状況に合わせてご提案できます。2027年末を、照明を見直すよいきっかけにしていただければと思います。
まとめ
水俣条約により、水銀灯は2021年、一般蛍光灯は2027年末で製造終了。今あるものは使えますが、計画的なLED化が省エネと安心につながります。次回は、古い機器に潜む有害物質——PCB特措法と処分期限です。
※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。