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点検できない場所への施設制限|隠ぺい配線の作法

2026.08.28
電気の法規・法令No.040「点検できない場所への施設制限」のサムネイル。見えない天井裏のイラスト。

配線には、「あとから確かめられるか」という大切な物差しがあります。内線規程は隠ぺい場所を「点検できる」「点検できない」に分け、点検できない場所への施設には厳しい制限を課しています。グループDの締めくくりは、この「見えなくなる場所の作法」です。家づくりやリフォームの打ち合わせで、必ず効いてくる知識です。

やさしい解説

「点検できる隠ぺい場所」とは、ふだんは見えないけれど、点検口や天井裏から手が届く場所のこと。ここには比較的多くの配線方法を選べます。一方「点検できない隠ぺい場所」は、壁の内部やコンクリートへの埋め込みなど、仕上げを壊さない限り二度と確かめられない場所。ここに施設できる配線方法は、厳しく限定されています。同じ「隠れる場所」でも、扱いはまったく違うのです。

考え方の芯は、「直せない場所に弱点を埋めない」です。第38回で見たとおり、配線の弱点はつなぎ目に生まれます。だから点検できない場所には、原則として接続点を残しません。接続はボックスの中で、点検できる位置に。コンクリートに埋めるならCD管などの管路を先に仕込み、電線はあとから通線して、将来引き替えられる形にする——「見えなくなっても、やり直せる」を設計であらかじめ仕込んでおくのです。

点検できる隠ぺいと点検できない隠ぺいの違いを示す図解。

暮らし・現場との関わり

この考え方は、住まいの長寿命化にそのまま効きます。点検口がきちんとある家は、配線も水道も「あとから見られる家」。リフォームで壁や天井を閉じる前に、点検口の位置を確保しておくと、将来の増設や修理の費用がぐっと下がります。点検口の位置は、図面に残しておくとさらに安心です。閉じてしまう前の一手間が、10年後の自由度を買うのです。

新築やリノベーションでは、「空配管(からはいかん)」というおまじないもおすすめです。使う予定がなくても管だけ通しておけば、将来LANでも何でも引き替え可能。「あの壁の中に管があるから大丈夫」——この一言が言える家は、時代の変化に強い家です。配管ひとつぶんの費用で、将来の工事が何割も軽くなります。

まとめ

見えなくなる場所ほど、方法は厳選し、接続点は残さない。「やり直せる形」を仕込むのが内線規程の知恵です。グループD「配線の基本」はこれで完結。次回からはグループE——接地(アース)と保護の世界へ進みます。

※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。

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