
製品の事故は、新品よりも「長年使った後」に増えます。部品の劣化は避けられないからです。そこで生まれたのが長期使用製品安全点検制度。所有者が登録をしておくと、点検の時期にメーカーから案内が届き、有償の点検を受けられる——「持ち主に時期を知らせる」ことを法律にしたしくみです。「うちのあの製品は何年目?」と思い浮かべながらどうぞ。
やさしい解説
対象の「特定保守製品」は、現在は石油給湯機と石油ふろがまの2品目です。制度が始まった2009年には、浴室用電気乾燥機やビルトイン式の電気食器洗機など9品目が対象でしたが、事故の状況を踏まえて見直され、2021年8月から2品目に絞られました。対象製品を買うと所有者票が付いてきて、登録すると設計標準使用期間(おおむね10年)の終わりごろに点検通知が届く、という流れです。
あわせて覚えたいのが、姉妹制度の「長期使用製品安全表示制度」。扇風機・換気扇・エアコン・ブラウン管テレビ・洗濯機(2槽式・全自動)には、「設計上の標準使用期間」と経年劣化への注意が本体に表示されています。かつて対象だった製品や表示制度の製品も、劣化が消えるわけではありません。年数を過ぎた製品は、異音・こげ臭さ・動作の不調を「買い替えのサイン」と受け止めるのが安全です。表示は寿命の保証ではなく、「安全に使える設計上の目安」という意味です。

暮らし・現場との関わり
ご家庭でできることは3つ。①対象製品を買ったら所有者登録をする(引っ越しや中古取得のときは登録情報の変更を)。②家の中の家電の「歳」を把握する。③10年選手の扇風機や換気扇は、モーター音や振動に変化がないか年に一度気にかける。長年動いて当たり前の機器ほど、劣化は静かに進みます。フィルター掃除のついでに製造年を見る、くらいの軽い習慣で十分です。
電気工事の現場でも、換気扇や浴室乾燥機の交換相談はとても多い仕事です。「まだ動くけれど、もう15年」——そんなときは、電気代・安全・快適さの3点で買い替えの損得をご説明しています。点検や交換の判断に迷ったら、遠慮なくご相談ください。
まとめ
長く使う製品には、「時期を知らせる」しくみで劣化事故を防ぐ。所有者登録と年数の把握が、家庭でできるいちばんの備えです。グループCの締めくくりとなる次回は、製品事故が起きてしまったときの法律——PL法です。
※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。