「今月の電気代、なんだかいつもより高い……」。検針票や請求のお知らせを見て、思わず二度見してしまった経験はありませんか。とくに理由に心当たりがないと、「もしかして故障?」「メーターがおかしいのでは?」と、不安になってしまいますよね。でも、電気代が急に上がるときには、たいてい原因があります。今回は、その原因を落ち着いて見つけるための「チェックリスト」を、順番にご紹介します。ひとつずつ確認していけば、たいていの「なぜ?」は解決できますよ。
急に上がったと感じたら、まず落ち着いて
電気代が急に上がると、つい「何か異常が起きたのでは」と身構えてしまいます。でも、多くの場合、原因はごくありふれたところにあります。猛暑や寒波で冷暖房をよく使った、電気の単価が上がった、請求の対象日数がたまたま多かった——こうした身近な理由が、いくつか重なっているケースがほとんどです。まずは深呼吸して、順番に見ていきましょう。
下の図に、電気代が急に上がるときの「主な原因」をまとめました。季節・気候の変化、料金の値上げ、検針日数のちがい、在宅時間や家族構成の変化、家電の増加や老朽化、そして待機電力。まずはこの中に、思い当たるものがないかをチェックしてみてください。ひとつとは限りません。いくつかの原因が重なって、「急に上がった」ように見えていることも多いのです。

電気代は「量 × 単価 + 基本料金」で決まる
原因を効率よく探すには、電気代がどう決まるのかを知っておくと便利です。電気代は、ざっくり言うと「使った電気の量(kWh)× 単価(円/kWh)+ 基本料金」で計算されます。つまり、電気代が上がるのは、「使う量が増えた」か「単価が上がった」かの、どちらか(あるいは両方)というわけです。さらに、請求の「対象日数」が多い月も、そのぶん高くなります。
この「量」「単価」「日数」という3つの切り口で考えると、原因がぐっと絞りやすくなります。使った量が増えたのか、単価そのものが上がったのか、それとも今回はたまたま日数が多かっただけなのか。どれが動いたのかを見きわめれば、次にとるべき対策も見えてきます。やみくもに不安になる前に、まずはこの3つを切り分けてみましょう。

「単価が上がる」というのは、少しわかりにくいかもしれません。電気の料金には、その時々の燃料価格を反映する「燃料費調整額」や、再生可能エネルギーを支えるための「再エネ賦課金」といった項目が含まれています。これらが上がれば、使う量が同じでも、電気代は高くなります。契約しているプランが改定された場合も同じです。検針票の単価や、これらの項目を、前の月と見くらべてみましょう。
意外と見落とされがちなのが、「対象日数」のちがいです。電気の検針は、毎月きっちり30日ごとに行われるわけではなく、月によって28日だったり、33日だったりします。日数が多い月は、そのぶん使う量も増えるので、電気代も自然と高くなります。「先月より高い」と感じたら、まず請求書の対象期間の日数を確認してみると、あっさり納得できることもありますよ。
比べるときは、「先月」だけでなく「前年の同じ月」とも見くらべるのがコツです。電気の使い方は季節によって大きく変わるため、真夏や真冬は、そもそも電気代が高くなって当然。春や秋と比べれば「急に上がった」ように見えますが、前年の同じ時期と比べれば、実はいつもどおり、ということも少なくありません。季節の影響を正しく見きわめるためにも、前年同月との比較はとても役立ちます。
チェックリストで原因を探そう
それでは、具体的なチェックリストです。手元に、電気代の検針票(明細)を用意してください。できれば、先月ぶんや、前年の同じ月のものもあると、くらべやすくなります。次の項目を、上から順番に確認していきましょう。ひとつずつ「はい/いいえ」を確かめていくだけで、原因の見当がついてきます。

まず①、検針票に書かれている「使用量(kWh)」を、先月や前年同月とくらべます。ここが増えていれば、原因は「使う量」。冷暖房をよく使った、在宅時間が増えた、家電が増えた、などが考えられます。次に②、使用量はあまり変わらないのに電気代が上がっているなら、「単価」や「燃料費調整額」を確認。ここが上がっていれば、値上げが原因です。そして③、念のため請求の「対象日数」もチェックしておきましょう。
使う量が増えていた場合は、さらに④〜⑥を確認します。新しく使い始めた家電はないか(④)、在宅時間や家族の人数が増えていないか(⑤)、そして古い家電の効率が落ちていたり、故障のサインが出ていないか(⑥)。とくに、冷蔵庫やエアコンといった古い大型家電は、年式が古くなるほど効率が落ち、電気を多く使うようになることがあります。
ここで、ぜひ活用したいのが、電力会社のWebサイトや専用アプリです。多くの電力会社では、日ごと・時間ごとの使用量をグラフで見られるようになっています。「どの日から急に増えたのか」がわかれば、原因もぐっと特定しやすくなります。たとえば、ある日を境に使用量が跳ね上がっていれば、その日に何を使い始めたかを思い出せばよいわけです。心当たりを探すより、データから逆算するほうが、ずっと早く原因にたどり着けます。
それでも原因が分からないときは
チェックリストをひと通り確認しても、どうしても原因が思い当たらない——そんなときは、少し注意が必要です。ごくまれにですが、電気の配線や機器の不具合で、知らないうちに電気がムダに流れてしまう「漏電」が起きていることがあります。漏電は電気代が上がるだけでなく、感電や火災につながる危険もあるため、心当たりのない急な上昇が続く場合は、早めに確認しておくと安心です。
まずは契約している電力会社に問い合わせて、使用量の推移や請求の内訳を確認してもらうのがおすすめです。それでもはっきりしない場合や、漏電が疑われる場合には、私たちのような電気工事の専門店にご相談ください。配線や設備の状態を点検し、原因の切り分けをお手伝いします。「原因が分からず不安」というときこそ、遠慮なく頼っていただければと思います。
まとめ
電気代が急に上がったときは、あわてず「量」「単価」「日数」の3つの切り口で原因を探るのが近道です。検針票を手に、使用量や単価を先月・前年とくらべ、チェックリストを順番に確認していけば、たいていの原因は見つかります。それでも分からないときや、漏電が心配なときは、電力会社や電気工事店に相談を。原因がはっきりすれば、不安も解消され、次の節約への一歩にもつながります。