
電気回路(でんきかいろ)とは、電気がぐるっとひと回りできる「道」のことです。電気は、この輪がつながって、はじめて流れることができます。
やさしい解説
電気の大原則は、「行きっぱなしでは流れない」ということです。電源から出た電気は、電線を通って機器で仕事をし、また電源へ戻ってくる——この往復の輪がつながっているときだけ、電気は流れ続けます。輪のどこか1か所でも切れていれば、電気はぴたりと止まります。
小学校の理科で、乾電池と豆電球を導線でつないだ実験を思い出してください。電池のプラスから豆電球を通ってマイナスへ、輪がつながると明かりが点きました。あれこそ、もっともシンプルな電気回路。家じゅうの複雑な配線も、根っこはあの実験と同じです。
スイッチの正体は、この輪を「つなぐ・切る」ための道具です。スイッチを切ると回路の一部が物理的に離れて、電気の道が途切れる。入れると道がつながって、電気が流れる。照明のスイッチをパチパチするたび、あなたは電気の道路を開け閉めしているわけです。
つなぎ方には「直列」と「並列」があり、家庭のコンセントや照明は並列でつながれています。並列なら、それぞれの機器に同じ100Vがかかり、1台を消してもほかは使えます。テレビを消したら冷蔵庫まで止まった——なんてことにならないのは、並列つなぎのおかげです。
いっぽうの直列つなぎは、電池ボックスでおなじみです。乾電池を2本、3本と直列に入れると電圧が足し算されて、より大きな力を出せます。昔のクリスマスイルミネーションは豆電球の直列つなぎで、1個切れると全部消えてしまい、切れた球を探すのがひと苦労でした。いまのLEDイルミネーションが1か所切れても消えないのは、つなぎ方が工夫されているからです。
回路を紙の上に表したものが「回路図」です。電池、電球、スイッチ、抵抗——それぞれに世界共通の記号があり、電気の設計者たちは、この共通言語で回路を描き、読み合っています。
暮らしとの関わり・注意点
プラグの刃が2本あるのは、電気の「行き」と「帰り」の道をつなぐためです。1本では輪になれないので、電気は流れません。家の壁の中には、分電盤から各部屋へ、こうした行き帰りのペアの配線が張りめぐらされています。
「電源が入らない」というトラブルの多くは、回路のどこかで輪が切れていることが原因です。プラグが抜けかけていないか、ブレーカーが落ちていないか、コードが断線していないか——「どこで道が切れているのか」を順にたどるのが、電気トラブル調査の基本になります。
逆に、本来つながってはいけない場所で近道ができてしまうのが「ショート(短絡)」で、これは大きな電流が流れる危険な状態です。回路は、決められた道どおりにつながっていてこそ安全。配線をいじる作業に資格が必要なのは、このためでもあります。
ちなみに、住宅の電気配線は「配線図」という設計図で管理されています。分電盤のどのブレーカーが、どの部屋のどの回路につながっているか——リフォームやコンセント増設の際は、この回路の把握が出発点になります。分電盤のスイッチに部屋名をメモしておくと、いざというとき本当に役立ちますよ。
関連する用語
回路を流れる電気の基本は「電圧(V)」「電流(A)」の項をどうぞ。回路の危険な近道「ショート(短絡)」、家の回路の司令塔「分電盤」、大きな家電のための「専用回路」も、あわせて知っておきたい用語です。