
電流(でんりゅう)とは、流れている電気の「量」のことです。単位はアンペア(A)。数字が大きいほど、たくさんの電気が一度に流れていることを表します。
やさしい解説
電圧が「水を押し出す力」なら、電流は「実際に流れている水の量」にあたります。細い小川より、太い川のほうがたくさんの水が流れるように、電流が大きいほど、多くの電気が流れて、大きな仕事ができます。
家電ごとの電流の目安を見てみましょう。スマホの充電は1〜2A程度、テレビは1A前後、ドライヤーは約12A、電子レンジは約14A。熱をつくるパワフルな家電ほど、大きな電流を必要とすることがわかります。なお、家電のパワーを表す消費電力(W)は「電圧×電流」で計算でき、100Vで10Aの電流が流れれば1,000Wになります。
電流には、「流れすぎると電線が発熱する」という大切な性質もあります。電線や器具には、安全に流せる電流の上限が決められていて、これを超えると危険です。この上限を見張っているのが、分電盤のブレーカーというわけです。
電流の正体は、電線の中を流れる「電子」というごく小さな粒です。スイッチを入れると、電線の中の電子がいっせいに動き出し、押し合いへし合いしながら電気を伝えます。遠くの照明が一瞬で点くのは、この「押す力」がほぼ光の速さで伝わるからです。
もうひとつ覚えておきたいのが、同じパワー(W)を送るなら、電圧が高いほど電流は小さくて済む、という関係です。電流が小さければ電線の発熱ロスも少なくて済む——これこそ、送電線がわざわざ数十万Vもの高電圧で電気を送る理由であり、大型家電に200Vが使われる理由でもあります。
暮らしとの関わり・注意点
電気料金の「契約アンペア(30A・40Aなど)」は、家全体で同時に流せる電流の上限のことです。ドライヤーと電子レンジとエアコンを同時に使ったらブレーカーが落ちた……というのは、この上限を超えたサイン。よく落ちるご家庭は、契約アンペアの見直しも一つの方法です。
また、延長コードや電源タップにも「15Aまで」といった上限(定格)があります。差込口の数だけ機器をつなぐと、上限を超えて発熱・発火の危険が生じることも。消費電力の大きい家電は、壁のコンセントに直接つなぐのが安全です。
そして、電流は感電の危険度を決める数字でもあります。人体に影響が出るのは、わずか数十ミリアンペア(1ミリアンペア=1,000分の1A)から。家庭の漏電ブレーカーが30ミリアンペアというごく小さな漏れで作動するのは、このためです。ぬれた手は電気を通しやすく、体に流れる電流が大きくなるので、水まわりでの電気の扱いには十分ご注意ください。
契約アンペアを選ぶ目安は、「同時に使う家電の電流の合計」です。たとえば、エアコン(約7A)+電子レンジ(約14A)+ドライヤー(約12A)を同時に使うと、それだけで約33A。30A契約なら、ほかの照明や冷蔵庫を足す前に上限を超えてしまいます。ブレーカーがよく落ちるご家庭は契約を上げる、逆に家族が減って余裕たっぷりなら下げて基本料金を節約する——そんな見直しのものさしとして、Aの感覚を持っておくと便利です。
関連する用語
「電圧(ボルト・V)」「抵抗(オーム・Ω)」と合わせて、電気の基本3点セットです。契約アンペアを見張る「アンペアブレーカー」、機器の上限を表す「定格」、使いすぎの状態を指す「過負荷」も、電流と深く関わる用語です。