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電磁誘導とは?

2026.08.15
電気の用語集No.015「電磁誘導」のサムネイル。磁石をコイルに近づけると電気が生まれ豆電球が点くイラスト。

電磁誘導(でんじゆうどう)とは、コイルのそばで磁界が変化すると、コイルに電気が生まれる現象のことです。世界中の発電所が電気をつくれるのは、すべてこの原理のおかげです。

やさしい解説

1831年、イギリスの科学者ファラデーは、コイルに磁石を出し入れすると、その瞬間だけ電流が流れることを発見しました。磁石を動かしている間だけ、電気が生まれる——「磁界の変化が電気を生む」という、電気の歴史でもっとも重要な発見のひとつです。

前項の「電磁石」は、電気から磁力をつくる話でした。電磁誘導はその逆で、磁力の変化から電気をつくります。電気と磁気は、たがいに相手を生み出せる、ふしぎな相棒どうしなのです。

この原理を機械にしたものが発電機です。磁石とコイルを組み合わせ、どちらかを回し続ければ、磁界が変化し続けて、電気が生まれ続けます。火力も水力も風力も原子力も、「タービンを回して電磁誘導で電気をつくる」という点では、みんな同じしくみ。何で回すかが違うだけなのです。

電磁誘導には、「変化をきらう」という面白い性質があります。磁石をコイルに近づけると、それを押し返す向きに電流が流れ、遠ざければ引き止める向きに流れる——まるで現状維持が大好きな頑固者です。発電機のハンドルを回すと手応えが重くなるのは、この「抵抗しようとする力」に逆らって仕事をしているから。楽して電気は生まれない、というわけです。

そして、電圧を変える変圧器(トランス)も電磁誘導の応用です。コイルからコイルへ、磁界を介して電気を受け渡す——送電網の心臓部でも、この原理が働いています。

空港の金属探知ゲートや、お店の防犯ゲートも、電磁誘導の応用です。ゲートがつくる磁界の中を金属が通ると、金属側に小さな電流が誘導され、磁界がわずかに乱れる——その乱れを検知して、音を鳴らしているのです。

暮らしとの関わり・注意点

電磁誘導は、発電所の中だけの話ではありません。台所のIHクッキングヒーターは、コイルの磁界を高速で変化させ、鍋の底に電流(うず電流)を誘導して、鍋そのものを発熱させています。火を使わずに調理できるのは、電磁誘導のおかげです。

スマホや電動歯ブラシの「置くだけ充電(ワイヤレス充電)」も、電磁誘導の応用です。充電台のコイルから、機器側のコイルへ、磁界を介して電気を渡しています。改札にタッチする交通系ICカードも、読み取り機からの磁界でカード内のコイルに電気を起こして動く、電池いらずのしくみです。

身の回りの「線をつながずに電気やエネルギーが伝わるもの」の裏には、たいてい電磁誘導が隠れています。そう思って家電を見回すと、19世紀の大発見が、いまも現役で暮らしを支えていることに気づくはずです。

ワイヤレス充電を使うときは、充電台とスマホの間に金属(コインやカード類)を挟まないよう注意してください。金属に電流が誘導されて発熱するおそれがあります。位置がずれると充電が始まらないのも、コイルどうしの磁界の受け渡しがうまくいかなくなるためです。

関連する用語

前提となる電気と磁気の関係は「磁界と電磁石」の項をどうぞ。電磁誘導を機械にした「発電機」、その応用製品「IHクッキングヒーター」、そして電圧を変える「変圧器(トランス)」も、すべて電磁誘導ファミリーの用語です。

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