こんにちは。
今回は少し趣向を変えて、夏らしい怪談をお届けします。
電気工事会社のブログですので、最初にひとつだけ。
このお話はフィクションです。
ただし、現実でも照明の点滅やスイッチの異常には、配線や機器の故障が隠れている場合があります。気になる症状があれば、放置せず専門業者へご相談ください。
それでは――。
—
最近、私の自宅で不可解な事が起こるのだ。
私がリビングで寛いでいても、シャワーを浴びているときでも、
誰もいないはずの廊下の照明が独りでに点灯するのだ。
「あれ?またか…」
確かにうちの廊下の照明は人感センサーだ。
スイッチを入れなくても勝手ついてくれる。
しかし、だれもいないのに点くのはやっぱりおかしい。
こんな日がもう何日も続いているのだ。
私がいないと照明が勝手に点く。
そして私が様子を見に行けば今度はリビングの照明が一瞬だけ消える。
ほんの一瞬。
目の錯覚かと思うほど短い時間だった。
いったい何なのだ?
—
そんなある日の夜、
もう深夜を回っていた頃だろう。
突然、廊下の照明が点いた。
寝室で寝ていた私はドアの隙間から差し込むその照明の光に眠気を遮られた。
仕方なく確認に行くが、誰もいない。
窓は閉まっている。
玄関の鍵も掛かっている。
気味が悪くなり、翌日、親友のAに相談した。
私はここ数日の不可解な現象や昨夜の出来事を細かく説明した。
が、Aの反応は思いのほかに軽薄であった。
「なんだよ、それ?お前、ホラー映画の見過ぎなんじゃないか?」
笑いながらもAは続けた。
「ただ単に古い照明で故障したってだけの話だろ?俺の知り合いの電気屋いるから紹介してやるよ!」
藁にもすがる思いでお願いした。
—
翌日。
Aの知り合いだという電気工事士が来て、照明器具を点検してもらった。
「この器具、結構古いですね。」
慎重にカバーを外し、内部を確認する。
「照明具自体もだいぶ劣化していますし、誤作動を起こしていても不思議ではありませんよ。」
やはり機器の故障が原因のようだ。
そう思うと急に安心した。
その日のうちに新品のセンサーライトへ交換してもらった。
作業が終わると工事士は笑顔で私に言った。
「これでもう大丈夫ですよ。」
—
その日の夜、照明は急についたりしなくなった。
良かった
これで夜中に起こされることもないし、いちいち確認に行かなくて済む。
私の中の小さな悩みの種が取り除かれた。
—
それから数日間、何事もなく過ぎていった。
廊下の照明が勝手に点くことはない。
リビングの照明が消えることもない。
あの日までの出来事が嘘だったかのように、静かな夜が戻ってきた。
「やっぱり故障だったんだな。」
そう思った私は、久しぶりに安心して眠りについた。
—
数日後。
工事をしてくれた電気工事士から一本の電話が入った。
私は電話に出ると受話器の向こうの電気工事士の声はどこか沈んでいた。
「先日はどうも」
「いえいえ、こちらこそ。おかげですっかり良くなりましたよ!それで、何か御用ですか?」
「いや、その後どうなのか気になってお電話差し上げたんですよ、でも何事もないみたいでよかったです。」
なんだ、そんなことか。
私は正直、そんなことで電話なんかしなくていいのにと心の中で思った。
「そうだったんですね、わざわざありがとうございます。」
私が社交辞令を言うと工事士はつづけた。
「実はもう一つお伝えしようと思ったことがあったんです。」
「え……?」
思わず声が出た。
「これは私の気のせいだと思いますのあまり気にしないでもらいたいのですが…」
電気工事士は少し間を開けてこう続けた。
「あの時、作業が終わって道具を片付けているときに、お客様のほかにもう一人、いらっしゃるような気配がしたんですよ。」
私は突然のことに言葉を失った。
「おそらく私の勘違いだと思うんですよ、ただ…」
「センサーライトは新品ですから、もう誤作動は怒らないはずです。」
「ですから、もしまたセンサーが勝手に反応するようでしたら…」
「その時は故障以外の可能性を考えたほうがいいかもしれ…プツッ」
突然、電話が切れた
「もしもし?」
「もしもし!」
何度呼び掛けても返事は帰ってこない。
私はスマホを耳から離し、そして恐る恐る廊下のほうに目をやると
廊下の奥で、新品のセンサーライトがまた、ゆっくりと点灯した…
誰もいないはずなのに…
センサーライトを確認する
消さないで…
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。