「LEDにすると電気代が安くなる」——これはもう、多くの方がご存じですよね。でも、「じゃあ実際、年間でいくら安くなるの?」と聞かれると、はっきり答えられる方は意外と少ないのではないでしょうか。今回は、白熱電球をLEDに替えると、電気代がどれくらい節約できるのかを、具体的な数字で見ていきます。「なんとなくお得らしい」を、「これだけお得!」に変えていきましょう。以前の記事でお話ししたLEDのしくみとあわせて読むと、より納得していただけるはずです。
LEDは消費電力も寿命もケタ違い
まず、白熱電球とLED電球の基本的な違いをおさらいしておきましょう。よく使われる「60W形」の明るさで比べると、白熱電球の消費電力が約54Wなのに対して、LED電球はわずか約9W。なんと、使う電気はおよそ6分の1で済みます。同じ明るさなのに、これだけ差があるのです。照明は毎日使うものだからこそ、この差が、電気代にじわじわと効いてきます。
さらに見逃せないのが、寿命の長さです。白熱電球の寿命が約1,000時間なのに対し、LED電球はおよそ40,000時間。実に約40倍も長持ちします。つまり、白熱電球を40回買い替える間に、LEDは1個で済んでしまう計算です。電球代そのものはもちろん、「切れるたびに買いに行く」「高い場所の電球を交換する」といった手間も、ぐっと減らせます。

電球1個で、年間いくら節約できる?
それでは、いよいよ本題の節約額です。ここでは、1日に約5.5時間(年間およそ2,000時間)使う電球を例に、試算してみましょう。電気料金を1kWhあたり約29円とすると、白熱電球1個の年間の電気代は約3,100円。これに対してLED電球は、約550円で済みます。その差は、なんと1個あたり年間約2,600円。よく使う電球ほど、この差は大きくなります。
「電球1個で2,600円」と聞くと、なかなかのインパクトですよね。では、これが家じゅうとなると、どうでしょう。リビング、玄関、廊下、洗面所、トイレ……よく使う電球を10個ほどLEDに替えたとすると、単純計算で年間およそ26,000円もの節約になる可能性があります。もちろん、すべての電球を同じだけ使うわけではないので、あくまで試算・目安ですが、それでも見過ごせない金額です。

ここで挙げた金額は、電気料金を1kWhあたり約29円、年間2,000時間の使用として試算した、あくまで目安です。実際の節約額は、電球の使用時間、契約している電気料金の単価、電球のワット数などによって変わります。それでも、「よく使う照明をLEDにすれば、これくらいお得になる」という感覚をつかんでおけば、買い替えの判断がぐっとしやすくなるはずです。
もし「一度に全部は大変」という場合は、点けている時間が長い場所から替えるのがコツです。長い時間つけっぱなしになりやすいリビングやダイニング、家族が毎日使うキッチンや洗面所などは、節約効果が出やすい“優先エリア”。逆に、ほんの数分しか点けない物置や納戸などは、後回しでかまいません。効果の大きいところから手をつければ、少ない手間で、しっかりお得を実感できます。
節約以外の、うれしいメリット
LEDのいいところは、電気代の節約だけではありません。まず、長寿命なので、電球の交換がめったに必要なくなります。とくに、天井の高い場所や、手の届きにくい照明では、この「交換いらず」がとてもありがたいものです。さらに、LEDは発熱が少ないのも特長。白熱電球のように熱くなりにくいので安全ですし、夏場は、照明の熱による室温上昇がおさえられ、冷房の負担がわずかに軽くなるという副次的な効果も期待できます。
また、LEDはスイッチを入れた瞬間にパッと明るくなり、点けたり消したりをくり返しても劣化しにくいという性質があります。玄関やトイレ、廊下のように、こまめにオン・オフする場所とは、とくに相性がいいのです。省エネ・長寿命・安全・すぐ点灯——こうしたメリットが積み重なって、LEDは今や、照明の主役になりました。

選ぶときの3つのポイント
いざLED電球を買おうとすると、種類が多くて迷うかもしれません。押さえるべきポイントは3つです。ひとつめは「口金(くちがね)サイズ」。電球の根元の、ねじ込む部分の太さのことで、一般的な電球は「E26」、小型のものは「E17」が多く使われています。今使っている電球や、器具の表示を確認して、同じサイズを選びましょう。
ふたつめは「明るさ」。パッケージの「60W形」「40W形」といった表示や、「ルーメン(lm)」という単位が目安になります。今より暗くしたくなければ、これまでと同じW形を選べば安心です。みっつめは「光の色」。温かみのあるオレンジ系の「電球色」、すっきり明るい「昼白色」などがあり、部屋の雰囲気や用途で選べます。くつろぐ部屋は電球色、手元を明るくしたい場所は昼白色、と使い分けるのがおすすめです。
なお、古い照明器具の中には、まれにLED電球に対応していないものもあります。とくに、調光機能(明るさを変えられるスイッチ)が付いた器具では、対応と書かれたLEDを選ぶ必要があります。心配なときは、パッケージの表示を確認するか、器具ごとの交換を含めて、電気工事の専門店に相談すると確実です。
蛍光灯も、いまLEDへ
ここまで白熱電球を中心にお話ししてきましたが、じつは「蛍光灯」も、いまLEDへの切り替えが進んでいます。というのも、環境省や経済産業省によると、水銀を含む一般照明用の蛍光ランプは、国際的な取り決め(水俣条約)にもとづき、2027年末までに製造と輸出入が段階的に終了する予定なのです。「蛍光灯の2027年問題」とも呼ばれています。
これは、「いま使っている蛍光灯が、2027年に急に使えなくなる」という意味ではありません。手持ちの在庫や器具は、これまでどおり使えます。ただ、新しい蛍光灯が手に入りにくくなっていくため、いずれは交換が必要になります。蛍光灯もLEDにすれば、白熱電球ほどではありませんが、消費電力を減らせて長寿命に。買い替えのタイミングで、LEDへの切り替えを検討しておくと安心です。
まとめ
照明をLEDに替えると、電球1個あたり年間およそ2,600円、家じゅうで替えれば1万円以上の節約も夢ではありません。しかも、長寿命で交換の手間が減り、安全で、すぐに明るくなる。まさに、いいことずくめの選択です。まだ白熱電球を使っている場所があれば、まずは「よく使う照明」から、少しずつ替えてみてはいかがでしょうか。次回は、節電から一歩進んで、「太陽光発電は元が取れるのか?」——設置費用と回収年数のリアルに迫ります。