
PL法(製造物責任法)は、製品の欠陥で人がけがをしたり、家財に損害が出たりしたとき、被害者がメーカーに賠償を求めやすくするための法律です。1995年に施行されました。電気製品の火災や事故と切り離せない、グループC最終回のテーマです。消費者として、知っているかどうかで差がつく法律です。
やさしい解説
この法律の画期的な点は、「メーカーの過失を証明しなくてよい」ことです。従来の損害賠償では、被害者が「メーカーに落ち度があった」ことまで立証する必要があり、これが高い壁でした。PL法では、①製品に欠陥があった、②損害が出た、③欠陥と損害に因果関係がある——この3つを示せば、賠償を求められます。欠陥には、設計上の欠陥、製造上の欠陥、そして警告・表示の不十分さも含まれます。取扱説明書の警告文が細かいのは、この「表示の欠陥」を防ぐ意味もあるのです。
対象は製造・加工された動産、つまり「もの」。責任を負うのは製造業者や輸入業者です(前回・前々回の話とつながります——輸入品は輸入した事業者が国内での責任の窓口になるのです)。責任を問える期間は、原則として製品の引き渡しから10年。長期使用製品の劣化事故(第29回)とも関わりの深い数字です。

暮らし・現場との関わり
万一、製品の発火や異常で被害が出たら——①まず安全確保、②製品・現場の写真を残す、③製品本体を捨てずに保管、④メーカーと消費生活センターに連絡。この順番を覚えておいてください。証拠の製品を処分してしまうと、欠陥の調査も賠償の話も進められなくなります。リコール情報の確認も大切な自衛策です。メーカーのサイトや消費者庁の公表資料で、製品名から検索できます。
なお、電気工事の施工不良による損害は、PL法ではなく請負契約の責任などで賠償される領域です。「製品の欠陥」はメーカー、「工事の欠陥」は工事店——責任の住み分けを知っておくと、いざというとき相談先を迷いません。どちらの場合も、原因調査には私たち電気のプロがお力になれます。
まとめ
PL法は、欠陥による被害から消費者を守る安全網。過失の証明不要・引き渡しから10年、この2つがポイントです。グループC「業者と製品の法律」はこれで完結。次回からはいよいよグループD——内線規程の中身、配線の基本ルールへ踏み込みます。
※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。