
外部委託承認制度とは、中小規模の事業所が電気主任技術者を自前で選任する代わりに、外部の専門家へ保安管理を任せられるしくみです。国の承認を受ければ、主任技術者を選任しなくてよい——中小のビル・工場にとって、いちばん現実的な保安のかたちです。「うちには電気の担当者がいないけれど大丈夫?」への、制度からの答えでもあります。
やさしい解説
対象になるのは、高圧(7,000V以下)で受電する需要設備——キュービクルのある中小のビル・工場・店舗など——や、出力5,000kW未満の太陽電池発電所などです。委託先は、経験要件を満たした個人の「電気管理技術者」または「電気保安法人」。設置者が委託契約を結び、国(産業保安監督部)へ申請して承認を受ける、という流れです。
委託後の保安は、定期的な巡回点検(月次や隔月など、設備に応じた頻度)と、年に一度の停電をともなう年次点検が基本のリズムになります。かつて太陽光の委託対象は2,000kW未満まででしたが、2021年に5,000kW未満へ広がり、メガソーラーの一部も委託できるようになりました。全国の高圧受電の事業所の大半がこの制度に支えられている——日本の電気保安の、実質的な主役です。委託の費用は設備の規模によりますが、専任者を雇う人件費に比べればずっと現実的です。

暮らし・現場との関わり
経営者や店舗オーナーの方にとって、「電気の点検で毎月来るあの人」が、まさに委託先の電気管理技術者です。点検のお知らせ、年次点検の停電案内、点検報告書——これらは制度が機能しているしるしですから、報告書はきちんと保管を。テナントへの停電周知も、あわせて習慣にしておくと安心です。
ひとつ大切なことがあります。委託しても、保安の最終責任は設置者に残るという点です。「任せているから関係ない」ではなく、指摘事項——たとえば絶縁の劣化や、波及事故のおそれのある機器の更新——には予算をつけて応える。それがオーナーの役目であり、結局は建物と事業を守るいちばんの近道です。点検の日を、設備の健康診断日と考えていただくとちょうどよいと思います。
まとめ
専任か、外部委託か。規模に応じて選べる柔軟なしくみが、日本中のキュービクルを見守っています。次回はグループBの総仕上げの前に、ルールを破るとどうなるか——無資格工事の罰則を正面から見ておきましょう。
※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。