
アースの通り道になる電線——接地線にも、きちんとした決まりがあります。色は緑(緑と黄のしま模様も)、太さにも下限、接続にも作法。ふだんは一切仕事をしないのに、いざという瞬間だけ命を預かる線だからこそ、内線規程は細かく面倒を見ています。地味な脇役に見えて、実は命綱そのもの。今回はその細やかな決まりを見ていきます。
やさしい解説
まず色。接地線には緑系の被覆を使い、ほかの電線と一目で区別できるようにします。誰が見ても「これはアース」と分かることが、誤接続や誤切断を防ぐ第一の安全装置です。国際的にも、緑・黄の組み合わせは接地の色として広く共通しています。色の統一は、世界中の現場が積み上げてきた知恵でもあります。アース線を延長するときも、同じ緑系の線でつなぐのが作法です。
次に太さ。D種接地線なら直径1.6mm以上が基本の目安で、機器の容量が大きければさらに太くします。漏電の瞬間、接地線には想定外の電流が流れ込みます。その一瞬に焼き切れず、確実に大地へ送り届けられる体力が要るのです。そして施工。途中で継ぎはぎしない、ゆるまない端子で確実に留める、傷つきやすい場所では保護管に入れる——第38回の接続の作法が、ここでも生きています。太さと接続、どちらが欠けても、いざという日の実力は出ません。

暮らし・現場との関わり
ご家庭でできるのは、緑の線の「見た目の健康診断」です。洗濯機やレンジの裏で、アース線が外れてぶら下がっていないか。ねじ端子から抜けかけていないか。引っ越しや模様替えのあとは、特に外れやすいタイミングです。細い線だからと、たるみを家具で挟むのも禁物です。気になる箇所は、写真を撮って工事店に見せるのが早道です。
屋外にも目を向けてみましょう。エアコンの室外機や給湯器の足元から地面へ、緑の線が伸びていれば、それが接地線です。塗装の剥がれや腐食が見えたら、点検の相談どき。「いざという日まで出番のない線」は、日ごろの無事がなにより大切なのです。静かな備えこそ、点検の主役です。年に一度、緑の線めぐりの日を作ってみてはいかがでしょう。
まとめ
接地線は、緑の色・十分な太さ・確実な接続の三点セット。静かな線の健やかさが、漏電の日の安全を決めます。次回は、その相棒——漏電遮断器の設置義務のお話です。
※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。