
発電機(はつでんき)とは、回転する力を電気に変える機械のことです。磁石とコイルを組み合わせ、回し続けることで、電磁誘導によって電気を生み出し続けます。
やさしい解説
しくみの心臓部は、磁石とコイルです。どちらかを回転させると、コイルのまわりの磁界が変化し続け、電磁誘導で電気が生まれ続けます。「回している間だけ、電気が出てくる」——これが発電機の基本です。
身近な例が、昔ながらの自転車のライト(ダイナモ)です。タイヤの回転でダイナモを回すと、ライトが点く。そしてこのとき、ペダルが少し重くなりますよね。あれは、体の運動エネルギーが電気に変換されている証拠。電気はどこからか湧いてくるのではなく、必ず別のエネルギーから「変換」して得ている、ということを体感できる好例です。
発電所の発電機も、原理はダイナモと同じです。違うのは、回す力の「源」です。火力発電は燃料を燃やした蒸気の力で、水力発電は水が落ちる力で、風力発電は風の力で、それぞれ巨大なタービン(羽根車)を回しています。「何で回すか」が発電方式の違いであり、回った先の発電機のしくみは共通なのです。
学校の理科室にあった手回し発電機を覚えていますか。ハンドルを速く回すほど豆電球が明るく光る——あれは、回転が速いほど磁界の変化が激しくなり、生まれる電圧が高くなるからです。発電所では、この回転の速さを一定に保つことで、電気の周波数(50Hz・60Hz)を正確に守り続けています。
発電機の大きさは、用途によってけた違いです。大型発電所の発電機は建物のような巨体で、1台で100万kW級——一般家庭70万〜100万軒分の電気を生み出します。いっぽう家庭の非常用発電機は数百W〜数kW。同じ原理の機械が、これほどのスケール差で活躍しているのも面白いところです。
暮らしとの関わり・注意点
家庭で発電機というと、災害や停電への備えとしての「非常用発電機」が身近です。エンジン式のほか、カセットボンベで動く手軽なタイプもあり、停電時に冷蔵庫やスマホの充電をまかなえる心強い存在です。選ぶときは、使いたい機器の消費電力(W)の合計に余裕を持たせた容量を選びましょう。
ただし、大切な注意がひとつ。エンジン式の発電機は、排気ガスに一酸化炭素が含まれるため、屋内や車内での使用は絶対にいけません。必ず屋外の風通しのよい場所で使う——これは命に関わるルールです。
ちなみに、電気自動車やハイブリッド車の「回生ブレーキ」は、減速時にモーターを発電機として働かせ、車の勢いを電気に変えてバッテリーへ戻すしくみです。モーターと発電機は表裏一体、というのも面白いところです。
なお、防災用品として人気の「ポータブル電源」は、発電機とは別物です。発電機は電気を「つくる」機械、ポータブル電源は電気を「ためる」機械。長い停電には燃料さえあれば発電し続けられる発電機が強く、手軽さと静かさではポータブル電源が勝ります。両方の性格を知って備えると、いざというときに心強いですよ。ご家庭ではまず、手軽な小型ポータブル電源から始めてみるのもよいでしょう。
関連する用語
電気が生まれる原理は「電磁誘導」の項をどうぞ。発電機とセットで働く「変圧器(トランス)」、つくった電気を届ける「送電と配電」、家庭側の備えとしての「蓄電池」も関連の深い用語です。