
電気工事士の3つの義務——免状を手にした工事士には、法律が3つの約束を課しています。①技術基準に適合するように作業すること、②適合マークのある電気用品を使うこと、③免状を携帯すること。資格は「取ったら終わり」ではなく、日々の仕事ぶりへの約束なのです。グループBの締めくくりに、この約束の中身を見ていきましょう。
やさしい解説
①基準適合。電気工事士は、工事のとき電気設備技術基準(第2回)に適合するよう作業しなければなりません。腕の良し悪し以前の、法律上の最低条件です。②適正な器具。電気用品安全法の表示——いわゆる適合マーク(グループCでご紹介します)——のある部材でなければ、工事に使ってはいけません。作業の質だけでなく、使う材料の素性まで法律は求めています。出どころの怪しい格安部材を選ばないことも、義務のうちというわけです。
③免状携帯。電気工事の作業中は、免状を身につけていること。「見せてください」に、その場で応えられるのがプロの標準装備です。このほか、都道府県知事から作業内容について報告を求められたら応じる義務もあります。工事をする人・使う材料・確認の手段——三つの方向から品質を固める、よくできた設計だと思いませんか。義務という言葉は堅いですが、中身は職人の誇りそのものです。

暮らし・現場との関わり
発注する側から見ると、この義務は「確認してよいことリスト」になります。免状の提示をお願いする。使う部材に適合マークがあるか尋ねる。施工後の絶縁測定の結果を見せてもらう——どれも法律が想定しているやりとりですから、遠慮はいりません。良い工事店ほど、聞かれる前に見せてくれるはずです。確認しやすい空気をつくるのは、私たちプロの側の仕事でもあります。
私たちの現場でも、材料はメーカー・商社の確かなルートから仕入れ、施工は有資格者が行い、竣工時には測定記録を残す——3つの義務は日々の当たり前として根づいています。グループBで見てきた「資格の世界」は、この当たり前を全国の現場に行き渡らせるしくみでした。
まとめ
人が資格を持ち、材料が基準を満たし、確認の手段がある。三拍子そろって、安全な工事が完成します。グループB「資格の法律」はこれで完結。次回からはグループC「業者と製品の法律」——工事店そのものを律する電気工事業法の世界へ進みます。
※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。