
電気工事業法(正式には「電気工事業の業務の適正化に関する法律」)は、電気工事を仕事として営む「お店・会社」の側を律する法律です。グループBで見た電気工事士は「人」の資格。今回からのグループCは、「業者」と「製品」がテーマです。工事を頼むとき、実はいちばん身近な法律かもしれません。今回は、その入口となる「登録」のしくみからご紹介します。
やさしい解説
柱になるのは「登録」のしくみです。住宅や店舗など一般用電気工作物の工事を業として行うには、都道府県知事(営業所が複数の都道府県にまたがる場合は経済産業大臣)の登録を受けなければなりません。従業員が一人でも、個人事業でも同じです。登録には5年の有効期間があり、続けるには更新が必要。つまり「登録電気工事業者」の看板は、5年ごとに確かめ直されている資格なのです。
なぜ人の資格(電気工事士)だけでは足りないのでしょうか。工事の品質は、職人の腕前だけでなく、会社としての体制——工事を管理する責任者がいるか、測定器を備えているか、記録を残しているか——に支えられているからです。1970年生まれのこの法律は、資格制度を「経営の側」から補強して、一般消費者を守る役割を担っています。以降の回で、その中身を順に見ていきます。看板・責任者・記録——三点セットで会社の質を支えるのがこの法律です。

暮らし・現場との関わり
工事を頼む場面では、こう活用してください。見積書や名刺、ホームページに「登録電気工事業者 ○○県知事登録第○○号」といった表記があるかを見る——これだけで、法律の土俵に乗った業者かどうかが分かります。無登録での営業は罰則の対象ですから、表記をきちんと出していること自体が、誠実さのひとつの証明になります。標識や帳簿の話は第24回で詳しくご紹介します。
リフォーム会社や家電量販店経由で工事を頼む場合も、実際に施工するのがどの登録業者なのかを確認しておくと安心です。「工事は協力会社が行います」という場合、その協力会社の登録番号まで書ける会社は、まず信頼できます。ひと手間の確認が、工事の後悔をいちばん確実に減らしてくれます。
まとめ
電気工事士法が「人」を、電気工事業法が「会社」を整える。二本立てで、電気工事の安心はできています。次回は、営業所ごとに置かれる品質の番人——主任電気工事士のお話です。
※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。