
JIS(ジス)は産業標準化法にもとづく国家規格、JEAC(ジェック)などは民間団体がまとめる規格です。法律のピラミッド(前回)を横から支えるのが、こうした「標準」たち。電気の安全は、法令と規格の合わせ技でできています。今回は、その縁の下の主役たちに光を当てます。
やさしい解説
JISは、製品の寸法や性能、試験の方法、用語の意味などを全国共通にする「ものさし」です。電線の太さ、ブレーカーの性能、コンセントの形——電気材料の世界はJISだらけ。品番の頭に付く記号の多くは、規格への適合を示しています。メーカーが違っても部品同士がかみ合い、同じ品質を期待できるのは、この共通ものさしのおかげです。規格は、ものづくりの世界の共通語なのです。
規格そのものは任意ですが、法令に「JIS◯◯に適合すること」と引用された瞬間、その規格は事実上の義務になります。電気の分野では、この官民連携がとても発達しています。民間側の代表が、日本電気協会の電気技術規程(JEAC)——内線規程(第4回)もその一員です。国は目標を、規格は具体的な作り方を受け持つ。この分業が、安全と技術進歩を両立させています。役所だけでも民間だけでも成り立たない、二人三脚の安全です。

暮らし・現場との関わり
買い物の場面で、規格は身近です。電気製品の安全表示(PSEマーク、第25回でご紹介予定)や部材のJIS表示は、「共通のものさしで確かめられた」しるし。出どころのはっきりしない激安の電材や器具には、このものさしを通っていないものが混ざることがあります。値段の差の正体が、安全の差であることも少なくありません。安さの理由を確かめる習慣は、電気の買い物でこそ生きてきます。
私たち工事店にとっても、規格適合品を使うことは施工品質の土台です。内線規程が求める性能は、JIS適合の部材を正しく使ってこそ実現します。見えない壁の中にこそ、規格品を——それがプロの流儀です。完成後に見えなくなる部分ほど、材料の素性が品質を決めるからです。
まとめ
法令はゴールを定め、規格は作り方を支える。JISと民間規格を知ると、製品選びも工事の説明も一段深く読めるようになります。グループAの締めくくりとなる次回は、「電気の法規の調べ方」——一次情報へたどり着く近道をご案内します。
※本記事は2026年7月時点の制度をもとに、内容をやさしく要約したものです。個別の判断は一次情報や専門家にご確認ください。