今や、家じゅうの照明がLEDという方も多いのではないでしょうか。「LEDは省エネで長持ち」とよく聞きますが、では、なぜそんなに優れているのでしょう。そして、昔ながらの白熱電球とは、いったい何が違うのでしょうか。今回は、LEDと白熱電球の「光り方の違い」から、その理由をひもときつつ、失敗しないLED電球の選び方までご紹介します。
白熱電球は「熱で光る」
まず、昔ながらの白熱電球のしくみから見てみましょう。白熱電球の中には「フィラメント」という細い金属線が入っていて、そこに電気を流すと、2000℃以上もの高温になります。物は熱くなると光を出す性質があり、その熱で明るく輝いているのが白熱電球です。たき火や、真っ赤に熱した鉄が光るのと、同じ原理ですね。
やさしくあたたかみのある光が魅力ですが、大きな弱点があります。それは「電気の大部分が、光ではなく熱になってしまう」こと。白熱電球では、使った電気のおよそ9割が熱として逃げてしまい、光になるのはごくわずかなのです。つまり、明かりをつけているつもりが、実は多くの電気で“部屋を温めていた”とも言えるわけです。
LEDは「電気を直接、光に変える」
いっぽうLEDは、まったく違う方法で光ります。LEDは「発光ダイオード」という半導体の一種で、電気を流すと、熱を経由せずに、直接光を生み出します。「電気→熱→光」ではなく、「電気→光」へと一足飛びに変わるのが、LEDの決定的な特徴です。
熱をあまり出さずに光るため、ムダになるエネルギーが少なく、とても効率的です。同じ明るさを得るのに必要な電気が、白熱電球よりずっと少なくてすみます。触ってもそれほど熱くないLED電球が多いのは、このためです。「熱で光る」白熱と、「電気で直接光る」LED——この違いこそが、省エネと長寿命のすべての出発点なのです。

だからLEDは、こんなに省エネ
LEDが省エネなのは、この「ムダな熱が少ない」ことに尽きます。白熱電球が電気の9割を熱で捨てていたのに対し、LEDは電気の多くをしっかり光に変えられます。その結果、同じ明るさなら、消費電力は白熱電球の数分の一ですみます。60Wの白熱電球と同じ明るさが、LEDならわずか8Wほどで得られるのです。
消費電力が少ないということは、そのまま電気代の節約につながります。家じゅうの照明をLEDに替えれば、毎月の電気代にはっきりと差が出てきます。使う時間が長い場所ほど、その効果は大きくなります。「電気代がなんとなく高いな」と感じている方は、まだ白熱電球のままの照明がないか、見直してみる価値がありますよ。
実は、こうした省エネ性能の高さから、白熱電球は世界的に生産を減らす流れにあり、日本の大手メーカーも、すでに製造をほぼ終えています。今では、店頭に並ぶ照明のほとんどがLED。もはや「特別なもの」ではなく、あたりまえの選択肢になっているのです。それだけ、省エネと長寿命のメリットが、広く世の中に認められたということですね。
数字で見る、その差
白熱電球とLEDの違いを、数字でも比べてみましょう。同じ60W相当の明るさで、消費電力は白熱が約54W、LEDは約8W。寿命は白熱が約1,000〜2,000時間なのに対し、LEDはなんと約40,000時間、およそ10年ももつと言われます。電気代の目安は、LEDが白熱の6〜8分の1ほど。差は歴然です。
「でも、LEDは本体が高いよね?」と思うかもしれません。確かに、買うときの値段は白熱電球より高めです。しかし、電気代の安さと寿命の長さを考えれば、長い目で見たトータルのコストは、LEDのほうがずっとおトク。交換の手間が減るのも、うれしいポイントです。最初の数百円の差は、使っているうちにしっかり取り戻せます。

なぜLEDは、こんなに長持ちなの?
LEDが長持ちなのにも、理由があります。白熱電球は、フィラメントを高温で光らせ続けるうちに、少しずつ金属がやせ細り、やがてプツンと切れて寿命を迎えます。高温で酷使されるフィラメントは、どうしても消耗が避けられないのです。
ところがLEDには、この切れやすいフィラメントがありません。半導体そのものは非常に長寿命で、しかも高温になりにくいため、消耗しにくいのです。白熱電球のように「ある日突然パッと切れる」のではなく、長い時間をかけて少しずつ明るさが落ちていくのが、LEDの特徴。だからこそ、約10年という長寿命が実現できるのですね。
熱をあまり出さないことには、省エネ以外のうれしい効果もあります。白熱電球は熱くなるため、燃えやすいものが近くにあると火災の心配がありましたが、LEDはその点でも比較的安心です。また、夏場に照明の熱で部屋が暑くなりにくいのも、地味ながらありがたいポイント。安全面でも快適面でも、LEDは白熱電球より一歩リードしていると言えるでしょう。
失敗しないLED電球の選び方
いざLED電球を買おうとすると、種類が多くて迷いがちです。でも、次の3つのポイントをおさえれば大丈夫。1つ目は「明るさ」。LEDの明るさは「ルーメン(lm)」という単位で表され、数字が大きいほど明るくなります。パッケージには「60W相当」といった表示もあるので、これまで使っていた電球と同じくらいの明るさを選びましょう。
2つ目は「光の色」。あたたかみのある「電球色」、自然な明るさの「昼白色」、青白くさわやかな「昼光色」の主に3種類があります。リビングや寝室などくつろぐ部屋は電球色、勉強や作業をする場所は昼光色、といった具合に、部屋の用途で選ぶのがおすすめです。同じ部屋でも、色を変えるだけで雰囲気ががらりと変わります。
3つ目は「口金(こがね)サイズ」。電球を差し込む部分の規格で、標準的な「E26」と、小型の「E17」などがあります。今ついている電球や、器具の表示を確認して、合うサイズを選びましょう。加えて、調光器(明るさを変えられるスイッチ)で使う場合は、「調光対応」と書かれたLEDを選ぶこと。非対応品を使うと、ちらついたり故障の原因になったりします。

使い方で気をつけたいこと
ひとつ注意したいのが、密閉された照明器具です。LEDは熱に弱い電子部品を内蔵しているため、熱がこもりやすい密閉器具では、対応と書かれたLED電球を選ぶ必要があります。浴室やダウンライトなどで使う場合は、「密閉器具対応」の表示を確認しましょう。合わないものを使うと、寿命が短くなってしまうことがあります。せっかくの長寿命を活かすためにも、使う場所に合った一本を選んでくださいね。
まとめ
LEDが省エネで長持ちなのは、「熱で光る」白熱電球と違い、「電気を直接光に変える」から。ムダな熱が少なく、切れやすいフィラメントもないため、少ない電気で、約10年という長寿命を実現しています。選ぶときは「明るさ・光の色・口金」の3つを確認すればばっちりです。まだ白熱電球のままの場所があれば、この機会にLEDへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。