災害による停電に対して日頃から行っておく準備と実際災害が起きた時の対策

日頃から行っておくべき準備

1. 非常用電源の確保

ポータブルバッテリー: モバイル機器の充電に使うため、最低でもスマートフォンを複数回充電できる大容量のものを選びます。災害時には情報収集や連絡手段が限られるため、バッテリー切れは大きな問題になります。定期的にバッテリーの残量をチェックし、常に満充電にしておくことが重要です。

ソーラーチャージャー: 災害が長引いた場合に備え、日光を利用して充電できる機器を準備することが有効です。アウトドア用の製品が多く、太陽光でスマートフォンやポータブルバッテリーを充電できるモデルを選びましょう。
ハンドクランク式充電器: 手動で発電できる充電器は、電力供給が全くない場合にもスマートフォンやラジオを充電できます。小型で手軽に使えるため、非常用として持ち歩くのも便利です。
家庭用発電機: ガソリンやプロパンガスを使用する発電機は、長時間の停電に対応できます。選ぶ際は、屋外でも使用可能な防水仕様のものや、低騒音タイプを選ぶとよいでしょう。ただし、発電機は換気の良い場所で使用し、燃料の保管方法にも注意が必要です。

2. 照明器具の準備

LEDランタンや懐中電灯: 長時間使用できる充電式ランタンや、乾電池で動作する懐中電灯を用意します。LEDは消費電力が少なく、長時間明るさを保つことができるため、特に停電時には役立ちます。ライトの予備電池も十分に備蓄しておくことが大切です。

電池式キャンプ用ランタン: キャンプ用のランタンは強力な光源として使える上、長時間の連続使用が可能なため非常時に非常に便利です。耐久性や防水性のあるものを選び、電池の予備も確保しておきます。
ろうそくとマッチ: 最悪の事態に備えて、ろうそくやマッチも用意しておくとよいでしょう。ただし、火災のリスクがあるため、使用場所には十分注意が必要です。

3. 飲料水・食料の備蓄

飲料水の備蓄: 停電時は給水システムが停止する可能性もあるため、1人1日あたり3リットルの水を最低3日分は確保します。特にペットボトルのミネラルウォーターは保存が効くため便利です。万が一に備え、余裕を持って1週間分以上の水を準備しておくと安心です。

常温保存可能な食料の備蓄: レトルト食品や缶詰、インスタントラーメン、乾パンなど、調理の手間がかからず、保存期間の長いものを備えておきましょう。これも最低でも3日分、可能であれば1週間分の食料を確保することが望ましいです。停電時は冷蔵庫が使えなくなるため、冷蔵・冷凍食品は避け、長期間保存できるものを選びます。

4. 通信手段の確保

: 電池切れを心配する必要のない、手回し充電式ラジオは災害時の情報収集に欠かせません。災害情報や天気予報をリアルタイムで確認でき、ラジオ機能があるスマートフォン用アプリも併用すると便利です。AM/FMラジオに対応しているものが望ましいです。

スマートフォンの省電力設定: 災害時には通信手段が限られるため、バッテリーの消耗を防ぐためにスマートフォンの省電力モードをオンにし、アプリやBluetoothなど不要な機能をオフにしておくとバッテリーの持ちが良くなります。

5. 医薬品や必需品の備蓄

常備薬の確保: 持病をお持ちの方は、必要な薬を余裕を持って用意し、停電などで医療機関が使えなくなる事態に備えます。特に長期にわたる停電が発生した場合、薬の確保が難しくなることがあるため、余裕を持った備蓄が必要です。

簡易応急セット: 包帯やガーゼ、消毒液、絆創膏、鎮痛剤、胃薬など、応急処置に必要な医薬品や道具を常に手元に揃えておくことが重要です。

6. 防寒具や避難用品の準備

防寒対策: 冬場の停電時には寒さ対策が重要です。毛布や暖かい衣類、ホッカイロなどを非常用バッグに入れておきます。また、保温効果の高いアルミ製の非常用シートもコンパクトに持ち運べるため便利です。

避難バッグ: 非常時にすぐに持ち出せる避難用バッグには、基本的な必需品(食料、水、医薬品、衣類、懐中電灯、携帯充電器など)を入れておきます。バッグは玄関などすぐに手に取れる場所に保管します。

実際に災害が発生し、停電が起きた際の対策

1. 自宅や周囲の安全確認

最初に家の中や周囲の状況を確認します。屋内の電気機器や配線がショートしている可能性もあるため、ブレーカーを確認して、必要に応じて切ります。
家が地震や洪水などで損壊している場合は、家の中に留まらず、安全な場所へ避難します。家電製品が水に浸かっている場合は感電の危険があるため、近づかないようにします。

2. 電気機器の管理

電気が急に復旧した際に家電が一斉に作動することを防ぐため、コンセントを抜いたり、家電の電源をオフにしておきます。これにより、復旧時の急激な電力供給による火災や機器の損傷を防ぎます。
冷蔵庫や冷凍庫は、電力が復旧するまで可能な限り開けないようにし、内部の冷気を保持して食材をできるだけ長持ちさせます。

3. 情報の収集と連絡手段の確保

ラジオやスマートフォンで地域の災害情報や停電の復旧見通しを確認します。スマートフォンのバッテリーは非常に重要なリソースとなるため、モバイルバッテリーでこまめに充電しながら使います。
近隣住民や家族と連絡を取り合い、互いに安全を確認し、支援が必要な場合には助け合います。

4. 飲料水・食料の節約

停電が長引いた場合を考え、飲料水や食料を節約して使います。飲み水は特に貴重ですので、計画的に消費します。必要に応じて雨水を集め、ろ過したり煮沸して飲料水に利用する方法も考えておきます。
食料は、調理が簡単で水をあまり使わないものを優先して使用します。カセットコンロを使って、少量の水で調理できるレトルト食品やインスタント食品が役立ちます。

5. 避難の判断

自宅が危険な場合や、長期にわたる停電が予想される場合は、避難を検討します。自治体の避難所が開設されている場合や、支援が必要な場合は、地域の情報を確認し、安全に移動できるタイミングで避難します。
災害時には交通や通信手段が制限されることがあるため、事前に避難所の場所や道順を確認しておきます。

6. 長期停電時の対策

冬場や寒冷地では、長期の停電時に防寒対策が重要です。暖房が使えない場合、体を温めるための毛布やホッカイロ、重ね着などを活用します。特に高齢者や子どもは体温調整が難しいため、暖かい部屋に移動させるか、避難を検討します。
熱中症対策としては、夏場には涼しい場所を確保し、水分補給をこまめに行います。