タコ足配線の危険性とその捉え方

最近は一般住宅のからのお問い合わせを頂くことが多く、その内容もアンテナから照明、エアコンなど様々でした。

そんな中、とあるお客様のご自宅でコンセント修理をさせて頂いた際、「タコ足配線」について訊ねられました。

そのお客様はタコ足配線による火災を気にされていたようでそういった相談をしてきたそうです。

そんなことを受け、今回はタコ足配線についてその危険性とタコ足配線とはどういった状態を指すのかについてお話しさせて頂きます。

 

・タコ足配線とは?

今更、タコ足配線の説明からするのかと思われるかもしれませんが意外にもタコ足配線の状態についていささか誤用されている節がありましたので改めて説明させて頂きます。

本来、タコ足配線とは1カ所のコンセントで複数の電源分岐タップ(以下、テーブルタップ)や三角タップを組み合わせて使用している場合のこと示すのですが「タコ足」というその字面からテーブルタップを使用して複数の機器を使用している状態もそれを指していると思われていますがこちらはタコ足配線ではありません。

・タコ足配線で考えられる危険

①過電流

一般的なコンセントですと定格が大体15Aですがこれはそのコンセントで使用できる容量を示しています。
ですがタコ足配線になってしまいますとその使用機器の合計容量を把握できずに過負荷となってしまう恐れがあります。
そのため定格オーバーによる過電流の発熱で最悪の場合、火災の原因となる恐れがあります。

②トラッキング

※こちらの項目は本ブログで過去に取り上げさせて頂いた「トラッキング現象ってなに?」でも詳しく説明しておりますので本文と併せてご覧ください。

このトラッキングという現象はコンセント周辺のホコリなどに湿気が含まれ、それらを介して電源プラグの間で放電を起こすというものでこちらも最悪の場合、火災の原因となります。

③自重によるプラグの抜け

三角タップなどを使用しているコンセントに通常の電源プラグを差し込んだりするのは平気なのですが場合によってはPCやタブレットなどの大きなACアダプタを差し込んだりしている場合があると思います。
そうなると想定以上の重量が三角タップにかかり、少しずつプラグが抜けていってしまいその中途半端な状態で先述のトラッキング現象を引き起こす原因となってしまいます。

・テーブルタップの正しい使い方

先述で様々な危険性をご説明いたしましたが、だからといってコンセントの数には限りがあり、タップを使わない訳にはいかない!という方もいらっしゃるでしょう。
筆者も当然、現代のガジェットに囲まれた生活の中で自宅のコンセントのみで済ませるということは出来ません。
ですので「タコ足配線」ではないテーブルタップの「正しい使い方」をご紹介いたします。

まず一般的なコンセントが定格15Aでコンセントの使用できる容量だということはご説明いたしましたがその事が示す意味をお話しします。
通常、ほとんどの電気を使用する機器に貼られているラベルで定格容量という項目があり、主にW(ワット)表記で書かれています。
ちなみにこのワット表記ですがこれはA(アンペア)に変換する場合、1アンペア=100ワットとご理解頂ければ問題ありません。
たとえば、電子レンジで「最大1200W」と表示されていた場合、これは12A使用すると言うことが分かります。
あとはこの考えで使用する機器のアンペア数の合計が15A内に収まっていれば安全にご使用頂けます。
ただ、テーブルタップにも最大ワット数が記載されている場合がほとんどですのでコンセントが15Aであってもテーブルタップも必ずしも1500Wということはありませんのでご注意ください。

いかがでしたでしょうか。
今回はタコ足配線のあらましとその危険性についてご紹介いたしました。
実のところ今回記載させて頂いたタコ足配線の意味する所を誤用していたのは筆者自身であり、お恥ずかしい話、本ブログを執筆するにあたっていろいろな媒体を調べていく中で知ったことでした。