なぜ違う? 関東・関西のHz(ヘルツ)が違う理由

明治時代、我が国が近代化を計らんとし、動いていた時代。

近代化するためには「電気」が必須であるとして発電所の建造するという動きがありました。
当時、関東地方における電気供給を引き受けていた「関東電灯(現在の東京電力)は、まだ工業技術の未熟だった我が国においては大きな発電機を製造することは難しいとし、発電機を他国より輸入する事で発電所を作ることとなりました。

そんな折に輸入されたのがドイツ製の発電機(50Hz)でした。
しかし、時を同じくして関西地方で電力供給を引き受けていた「大阪電灯(現在の関西電力)」は同じ理由でこちらはアメリカ製の発電機(60Hz)を輸入し、発電所を建造。

当時は周波数を統一するという意識はあまりなく、それぞれの周波数でそれそれの地域の企業が機器を製造していたため、周波数の違いによる弊害に気づいたときにはすでに統一が困難なほど浸透しておりました。

現在では機器の国産のほとんどが「50・60Hz供用」となっているため問題なく使用できますが古い機器や海外製の一部の製品などでは供用とはなっていない場合があり、周波数の違う機器を誤って使用してしまいますと性能に変化を与えたり、最悪、故障の原因となってしまう恐れがあります。

ちなみに周波数は静岡県の富士川と新潟県の糸魚川を境として西と東に分けられ、境界付近では周波数が混在する地域もあるそうです


ですので先述の音響機材の音質の違いというのも関東に比べ、関西の方が1秒間の電気の供給が10回ほど多いというのが影響しているからなのかもしれません。
アンプやオーディオ機器の好きな方は機会があれば聞き比べてみるのもおもしろいかもしれませんね。

今回はそんな周波数の違いについてのこぼれ話をご紹介いたしました。