荷役にまなぶ ~電気工事の運搬作業について~

今回もある意味番外編というように解釈していただきたく、理由としては筆者が最近観て関心を持ったとある動画をベースにお話しさせて頂くからです。
その動画というのがYouTubeにあります日本通運さんの「荷役はかわる」という動画です。
動画の内容としましては1958年当時の沖仲仕という船から陸地に荷をあげる作業をする人たちの仕事がパレットという木製の台の登場によって大きく変化したという事を記録したものです。
それを観て筆者も電気工事における運搬作業について紹介し、それが皆様の知識としてお役に立てればと思い、本記事を書くこととしました。

また、今回は主に人力による運搬を説明いたします。


・抱え運搬時の注意点
電気工事において運搬は搬入は台車や車両、クレーンなどを多様することが多いですが中には不整地や狭所への搬入などもあるため一概に全てで使用できるとは限りません。そのため、人力による運搬として抱え運搬についてご説明します。
ただ、本来は両手が塞がってしまう抱え運搬は安全な方法としてはベターとは言えず、理想としては2名以上で左右どちらかの手が自由に使える状態が望ましいと言うことを念頭に置いてください。

①運搬経路の確認
運搬する経路上において障害となり得るものを予め確認しておき、可能であればそれを排除するようにします。

②荷を捕縛してまとめる。
ひとつのものならいいのですが複数の荷を運ぶ際には荷崩れ防止のためロープ等で運びやすくまとめて運搬します。

③荷の持ち上げ、運搬
荷に対して出来るだけ身体を近づけ、荷の底をしっかりと持ち、足裏全体に力が掛かることを意識して一気に持ち上げます。
そして荷と身体の重心を近づけゆっくりと移動します。

④荷下ろし
荷下ろしは③の手順の逆の順序で行い、置く際には投げ起きしないように注意します。

・電柱などの長いものの運搬の注意点
電柱などの長いものに関しては1名での運搬は避け、複数名での運搬を心がけます。

①肩担ぎでのケース
電柱などの円柱状のものは持ち上げの際に回転して落下する恐れがありますので担い手以外の人に持ち上げてもらった状態で肩に担ぎ運搬を行います。
また、荷下ろしの際は太い元口の方から下ろすようにします。

②担い棒を使用してのケース
距離が長い場所までの運搬では担い棒による2点吊りでの運搬の方がが身体への負担を減らすことが出来ます。ただ、斜面や不整地などを通る際は安定している先述の肩担ぎの方が安定します。
担い棒による運搬は同じ担い手同士の呼吸を合わせた動作が必要であるため意思疎通を図りながら行います。

いかがでしたでしょうか?
今回は電気工事における運搬作業の説明をさせて頂きました。
運送業界に限らず他業種の歴史や移り変わりというのは非常に興味深いものがあり、こういったことを気軽に知ることの出来るというのは本当に恵まれた環境ですよね。
ちなみに余談ですがこういった物流の移り変わりにに興味のある方は日経BPから出版の「コンテナ物語」という書籍をオススメいたします。
少々厚みのある書籍ですがコンテナという「箱」の発明以降世界の物流、ひいては我々の生活がどれほど大きく変化したかという事について具体的かつ非常におもしろい事実で書かれており、知的好奇心を刺激する内容であると筆者は感じました。
興味のある方はこのGWを機にに手に取ってみてはいかがでしょうか。
だいぶそれた話しもしてしまいましたが番外編と言うことでご容赦ください。