ガソリンスタンドのキャノピー灯とLED化

昨今、コロナ下に形成された新たな社会の形や今年の2月から続くロシアによるウクライナ侵攻によって様々な所に影響が及んでおり、それが全ての要因であるとは言いませんが、EUなどをはじめとする各国のみならず日本に住む私たちの生活にも少しずつ陰を落としています。
そして特にそれが如実に感じられたのがガソリンなどの燃料の高騰ではないでしょうか?

品物不足や値上げなど大きな変化の中で私たち一般人がひとつの指標としているガソリン代は世界経済の影響を最も早く肌で感じるところであり、生活になくてはならない存在です。
少し話が逸れてしまいましたが今回はそんな私たちの身近な存在としているガソリンスタンドの電気についてお話し したいと思います。


ガソリンスタンドの照明って?

私たちが普段利用しているガソリンスタンドの高屋根(キャノピー)に取り付けられて四角い照明はキャノピー灯といい、主にガソリンスタンドでの使用を前提として設計されているものです。
場所によってはキャノピーの形自体も普段見慣れているような平らなものばかりでなく円形状のキノコのような形をしたキャノピーやアーチ状のドームのような格好をしたキャノピーも存在しているそうです。こういった特殊な形状のものは70~80年代に流行した建築の様式で近年ではコストの関係や建設期間の短縮などの理由でほとんど見られなくなりました。
そして今現在、全国にある大小含めた約2万9000ほどある店舗のうち半数以上がまだLEDではない水銀灯のキャノピー灯のままとなっております。
最近では以前と比べ、LEDの普及率は上がっては来ておりますがやはり地域差があり、全国的に見てみますと高い数値とは言えないのが現状です。
こういった要因の中にはそのLED工事を行っていったいどれほどのメリットがあるのか?と言うことが認知されておらず、そういったことが普及率に影響しているのだと思われます。


ですので、そのメリットに関しましても次項から詳しく解説していきます。


キャノピー灯LED化とそのメリットは?

まだLED化のお済みでないガソリンスタンドでよく取り付けられているのはガラスグローブ型という大きな四角い(場所によっては丸いタイプなども存在します)ガラスのガワを持つ水銀灯の照明器具になります。
これは昔からある水銀灯タイプでHIDという高圧水銀ランプ(メタルハライドランプとも言う)が使用されており、非常に明るくのですがその反面、やはりLEDなどと比べてしまうと寿命が短いため交換のサイクルが早いです。
そしてキャノピーは大体の場所が高さ5M以上の場合が多く、球が切れてしまったからといって簡単に交換するというわけにもいきません。

また、国内メーカーの大半が少しずつ全ての照明をLEDへと移行してきているため今後交換用の球自体も国内メーカー製のものに限って言えばますます入手が難しくなってきます。
さらに水銀灯タイプの照明は紫外線というものが発生しているためこれは虫などをグローブの中などに寄せ付けてしまい、中に大量の死骸を残してしまいます。

(※紫外線につきましては過去に当ブログにおいてもその影響を詳しく紹介させて頂いた事がありますので良ければご覧ください。)

LEDと蛍光管 紫外線のはなし

 

視覚的にも気持ちのいいものではありませんが何より、死骸がグローブの中に溜まってしまって照明の照度にも影響してしまうと言う問題も発生します。こちらも定期的に清掃などを行えば問題ありませんが先述の通り、高い位置に取り付けられているキャノピー灯は簡単に清掃できるものではありませんし、対処方法のひとつであり根本的な解決策にはなり得ません。
しかし、LEDはその原因となる紫外線を発生させないため虫などが寄ってきたりと言うようなことはほとんどなく、そういったこまめな清掃が必要ない分とても維持管理がしやすいという特徴もあります。
そして何よりもLEDは水銀灯に比べ消費電力が少なく、電気代節約に大きく貢献するという最大のメリットがあります。

さらにLED化することによって店舗様の集客率にも変化の見られる所もあります。
それはもちろんLED化したことにより集客率がUPしたという意味でそういった事業者様にとっても嬉しいメリットもございます。
どうして照明をLEDにしただけで集客に影響するのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかと思いますがそれには心理的効果が関係しています。

今年の夏、経済産業省より全国的な電力不足が予想されたため企業や家庭を対象とした節電の協力要請があったことは記憶に新しいと思います。
その中で買い物や外出の際に一部の照明などを落として営業をしている店舗などを実際に見かけたりしていることでしょう。
普段、生活の中で行き慣れているお店でも照明の量を落とし、少し薄暗いとなんとなく居心地に違和感を覚えたり、何より暗い中ですと商品を魅力的に感じられないと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これはガソリンスタンドでも同じ事で古い水銀灯照明で照らされている薄暗い状態よりも光量の多いLEDで照らされた明るい店舗の方が自然と安心感と親近感が沸き、お客様の足も向いて頂けるようになります。

筆者も夜の暗い山道の中で運転をしていたりするとぽつんとあるコンビニなどの店舗の明るさになぜか安心感を覚え、なんとなく寄ってしまうなんてこともありますので煌々とした明るさというのは人の足を向けさせる力があるのかもしれません。

 

 

では、ここまでのLED化に関するメリットをまとめてみますと

①水銀灯に比べて長寿命

水銀灯に比べて約4~10倍にあたる40,000時間の長寿命

②紫外線がなく虫が寄りつかない

虫の被害や不快感を一掃します

③水銀灯に比べてメンテナンスが少ない

球交換などの工事費などを大きく削減

④従来の照明よりも電気使用量を大きく節約

電気消費量の多い水銀灯よりも圧倒的な低消費電力

⑤明るく寄りやすくなり集客UP

明るくなると生まれる安心感と親近感がお客様を引きつけます

 

 

となります。

 


LEDのデメリットは?

それでは逆にLED化のデメリットについて解説していきます。
と言っても従来の照明器具と比較した場合、それほどデメリットがあるとは筆者個人としては感じませんが一般的に言われているデメリットを箇条書きでご紹介いたします。

①従来品よりも高価

こちらは恐らく最も皆様に二の足を踏ませている部分であり、1番の関心事であると思います。
特に近年はどの業界においても原材料の価格高騰による値上がりの影響も出てきており、照明器具もその中に含まれます。
しかし、もしもLED器具=「高い」と言う漠然としたイメージのみで認識しているのでしたら少し待ってもらいたい。
確かに従来品より高い価格帯であることは間違いないが十数年前のまだLEDが普及し始めた頃に言われていた「高い」と言うイメージのままの方も少なくはありません。
近年では各メーカーの企業努力もあり、10年前と比べても価格を大きく抑えられてきています
もし、LEDの値段に漠然としたイメージしかないのであれば一度施工業者の見積もりを取ってみてください。

②水銀灯などと比べて光が拡散しない

こちらはLEDの特性と言うべき点であり、LEDは全方位に均一に光りを放射出来ないため明るさにバラツキが出てきてしまうといった場合があります。
そのため専門業者と相談し照度の低下させない配置もしくは増設を検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はガソリンスタンドにおけるLED化についてご紹介させて頂きました。

あまり前向きな話題の少なくなってきている昨今、ムダな出費を抑えたいと考えるのであれば是非LED化も視野に入れてご計画ください。

本ブログをご覧になって何かご参考になったのでしたら幸いです。